2002 Fiscal Year Annual Research Report
マウス運動負荷モデルでの、骨動態変化と骨髄細胞分化異常の分子細胞メカニズムの解明
Project/Area Number |
13770817
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
沖本 信和 産業医科大学, 医学部, 助手 (70330991)
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Keywords | マウス / 自発運動負荷モデル / 骨髄細胞 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨組織形態計測 |
Research Abstract |
1,目的)マウスにおいて運動負荷により骨量を増加させるモデルは幾つか報告されているが、それらは電気的刺激などの強制によるストレスは免れないものである。そこで我々は,自発的クライミング装置を用いて荷重運動負荷がマウスの骨動態に及ぼす影響を検証した。本研究の目的は、自発的クライミング運動が成長期のマウスの骨髄細胞の分化および海綿骨量に影響を与えるか否かを明らかにすることである。 2,(方法)6週齢のC57BL/6J系雄マウス65匹を、13匹ずつの5群に分けた。安静-2週群と安静-4週群、およびクライミング運動を負荷した運動-2週群と運動-4週群をそれぞれ2週と4週で屠殺した。対照群は実験開始前に屠殺した。2週間の予備飼育後、8週齢から運動群は100cmのクライミングケージにて飼育した。実験中は給水筒をクライミングケージ上方に設置し、飲水自由、食餌はad libitumとした。各群の骨量、骨形成と骨吸収、骨髄細胞の分化能について調べた。 3,(結果・考察)クライミング運動2週で、海綿骨量(BV/TV)は有意に増大し、破骨細胞面(Oc.S/BS)、および破骨細胞数(Oc.N/BS)は有意に減少していた。クライミング運動4週では、BV/TV、骨石灰化面(MS/BS)、骨石灰化率(MAR)、および骨形成率(BFR/BS)は有意に増大していた。脛骨より採取した骨髄細胞培養ではクライミング運動2週で、ALP陽性のColony forming units-fibroblasticのコロニー数およびmineralized noduleの面積が有意に増加し、TRAP陽性多核細胞数は有意に減少していた。 4,(結論)マウスにおける自発的クライミング運動は、骨髄細胞において破骨細胞の分化を抑制し、骨芽細胞への分化を促進させ、脛骨海綿骨の骨形成率を増加させることによって、海綿骨量を増加させる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Notomi, N.Okimoto, et al.: "Effects of Tower Climbing Exercise on Bone Mass, Strength and Turnover in Growing Rats"Journal of Bone and Mineral Research. Vol16.No.1. 166-174 (2000)
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[Publications] T.Notomi, N.Okimoto, et al.: "Effects of Resistance Exercise training on Mass, Strength and Turnover in Growing Rats"Eur J Appl Physiol. 82.1. 268-274 (2002)
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[Publications] T.Notomi, N.Okimoto, et al.: "Tower Climbing Exercise Started 3 Months After Ovariectomy Recovers Bone Strength of the Femur and Lumber Vertebrae in Aged Osteopenic Rats"Journal of Bone and Mineral Research. Vol18.No.1. 140-149 (2003)