2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳虚血における脳組織酸素分圧、アシドーシス、神経細胞傷害に及ぼす血糖管理の影響
Project/Area Number |
13770834
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
森本 康裕 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (60325230)
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Keywords | 脳組織酸素分圧 / 脳組織pH / パラトレンド / アシドーシス / 高血糖 / 脳虚血 |
Research Abstract |
一過性脳虚血の脳組織酸素分圧(PtO2)、二酸化炭素分圧(PtCO2)、pHに及ぼす影響と、虚血前高血糖がこれらのパラメータの変化にどう影響するかを検討した。 家兎(n=10)を気管挿管後、イソフルラン1.5〜2%で吸入させ、大脳皮質にパラトレンドセンサーを挿入した。対照群(n=5)と高血糖群(n=5)に分けた。高血糖群は虚血60分前からブドウ糖を負荷し血糖値500mg/dl程度を目標とした。脳虚血は、低血圧と頸部駆血により行った。対照群の虚血前の、PtO2は26±11mmHg、PtCO2は65±2mmHg、pHは7.06±0.23だった。7分の虚血後、PtO2は2±1mmHg、PtCO2は107±38mmHg、pHは6.62±0.09、再灌流10分後には、PtO2は33±9mmHg、PtCO2は57±6mmHg、pHは6.92±0.27となり、PtO2は虚血前より軽度上昇、PtCO2は経度低下したがpHは虚血前より低値であった。高血糖群の虚血前の、PtO2は29±8mmHg、PtCO2は69±2mmHg、pHは7.02±0.13だった。7分の虚血後、PtO2は0±1mmHg、PtCO2は198±28mmHg、pHは6.41±0.09となり対照群よりもPtCO2が上昇しpHが低下しより高度のアシドーシスとなった。再灌流10分後には、PtO2は31±8mmHg、PtCO2は54±5mmHg、pHは6.49±0.17とアシドーシスが継続したが、30分後には7.21±0.06と虚血前より上昇し60分後も継続した。 これらの結果より、虚血前高血糖は脳虚血時によりアシドーシスとなるが再灌流後には、むしろアルカローシスとなることが明らかとなった。パラトレンドは脳虚血、再灌流時の脳組織の酸素化およびアシドーシスの状態を良く反映し、脳虚血の病態解明に有用であることが示唆された。
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