2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラット大動脈遮断後くも膜下モルヒネ投与による脊髄前角細胞障害とアポトーシスの関係
Project/Area Number |
13770847
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
笹良 剛史 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (80225903)
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Keywords | ラット / 脊髄虚血 / モルヒネ / c-fos |
Research Abstract |
非障害性脊髄虚血後のくも膜下モルヒネ投与により起こる痙性対麻痺と脊髄神経細胞c-FOS発現について検討する目的で、まず対照群である非障害性短時間脊髄虚血後くも膜下生理食塩水投与による脊髄神経細胞c-FOS発現を検討した。予めくも膜下カテーテルを挿入していたSDラットを用いて、胸部下行大動脈血流遮断と中枢側の脱血により脊髄虚血を加えた。その後くも膜下カテーテルから生理食塩水10μlを投与した。虚血後、2、4そして24時間後に腰部脊髄を摘出し、c-FOS免疫組織染色を行った。 非障害性短時間脊髄虚血後のくも膜下生理食塩水により、虚血後2時間目では脊髄の後角から前角にかけて神経細胞が全般的にc-FOSを発現していた。虚血後4時間目では脊髄前角以外の神経細胞がc-FOSを発現しており、24時間目ではc-FOS発現が減少する傾向であった。 これらの結果から大動脈遮断により非障害性脊髄虚血が起こった後に、c-FOSが発現するのは虚血後2時間目がもっとも強く、その後前角細胞領域から減少していく傾向が見られた。従って、非障害性一過性脊髄虚血後のくも膜下モルヒネ投与による脊髄前角細胞のc-FOS発現への影響に関しては、虚血後24時間目の脊髄組織で判定することが適していると思われた。
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