2002 Fiscal Year Annual Research Report
ラット大動脈遮断後くも膜下モルヒネ投与による脊髄前角細胞障害とアポトーシスの関係
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13770847
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
笹良 剛史 琉球大学, 医学部附属病院, 助手 (80225903)
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Keywords | ラット / 脊髄虚血 / モルヒネ / c-fos |
Research Abstract |
ラット胸部大動脈遮断による一過性短時間(6分間)脊髄虚血後のくも膜下モルヒネ投与による脊髄運動神経(前角細胞)の障害が、アポトーシスによるものであるか否かを検討した。脊髄虚血後、脊髄前角細胞の機能を評価するために、経時的に下肢運動機能ならびに経頭蓋的運動誘発電位(MEP)を記録した。脊髄虚血後のくも膜下モルヒネ投与(30μg)後72時間目に脊髄膨大部を摘出し、パラフィン固定しニッスル染色により脊髄運動神経を観察した。さらに、アポトーシスを検出する目的でTUNNEL染色を行い検討した。 脊髄虚血後モルヒネ投与により、下肢は次第に痙性を示し、投与後2時間で痙性対麻痺となった。MEPによる検討では、モルヒネ投与前後でMEP振幅の増加(約5倍)が認められ、脊髄前角細胞の異常興奮が示唆された。脊髄虚血後72時間目の摘出脊髄ニッスル染色の結果、脊髄前角細胞は選択的に障害され(萎縮性)ており、その他の介在神経や後角細胞に明らかな障害はみられなかった。TUNNEL染色により脊髄前角細胞を観察したが、脊髄前角細胞においてアポトーシスを示唆する所見は認められなかった。 以上より、短時間一過性脊髄虚血後のモルヒネ投与により下肢運動機能は著しく低下し、それは脊髄前角細胞の異常興奮によるものであることが示唆された。更に、脊髄前角細胞は萎縮を伴なう細胞変性を示すことが明らかとなったが、アポトーシスを示唆する所見は認められなかった。 今後は、モルヒネ投与後の脊髄標本を経時的に採取し、TUNNEL染色を行うことによりアポトーシスの検出を試みたいと考えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 垣花 学, 川端徹也, 中村清哉, 笹良剛史, 須加原 一博: "経頭蓋的運動誘発電位(MEP)モニタリングは脊髄虚血後の痙性対麻痺を検出できない"Cardiovasucular Anesthesia. 6. 97-101 (2002)
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[Publications] M Kakinohana, T Fuchigami, S Nakamura, T Sasara, T Kawabata, K Sugawara: "Intrathecal administration of morphine, but not small dose, induced spastic paraparesis after a noninjurious interval of aortic occlusion in rats"Anesthesia and Analgesia. 96. 769-775 (2003)
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[Publications] M Kakinohana, Takeshi Sasara, Tetsuya Kawabata, Seiya Nakamura, Kazuhiro Sugahara: "Transcranial Motor Evoked Potentials Monitoring Is Better Than Somatosensory Evoked Potentials Monitoring for Detection of Spinal Cord Ischemia in Rat Aortic Occlusion Model"Anesthesiology. 96. A-581 (2002)