2001 Fiscal Year Annual Research Report
SAGE法による腎癌の解析と新規腫瘍マーカーの同定
Project/Area Number |
13770886
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
中井川 昇 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (00237207)
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Keywords | 腎癌 / 腫瘍マーカー / SAGE |
Research Abstract |
近年の画像診断の発達、普及に伴い、早期腎癌の診断が可能になってきましたが、現時点では臨床上腎癌に特異的な血中腫瘍マーカーはなく、その診断は画像診断に頼っているのが現状です。 そこで本年度、我々は腎癌特異的腫瘍マーカーの開発のために、腎細胞癌細胞株由来のSAGE(Serial Analysis of Gene Expression)libraryを作成しました。SAGEとは、1サンプル(組織や腫瘍、細胞株など)内に存在する数千、数万の遺伝子発現情報を包括的かつ定量的に収集し、サンプル内の全てのメッセンジャーRNAの分布をバーチャルに再現する方法で、DNA chip(またはMicro Array)が既知の遺伝子のスクリーニングに限られているのに対し、未知の遺伝子の同定や、多遺伝子間の比較、定量的な評価が可能であり、現在注目を集めている手法です。 現在は、今回我々が作成した腎癌組織のSAGE libraryが解析に耐えうる品質のものであるか評価中です。解析可能な品質であることが確認されれぱ、今後この腎細胞癌細胞株と既に我々が作成し解析可能な品質であることが確認済みの腎尿細管細胞株のSAGE libraryの解析を進め、両者を比較することにより、腎細胞癌に特異的に高発現している遺伝子を同定したいと考えています。さらにその遺伝子の中から、血中に分泌されることが予想される構造を持った蛋白をコードする遺伝子を選択し、蛋白レベルでの発現の確認を行ない、最終的には、同意を得た腎癌患者より採取した血液を用いて臨床的にその有効性を確認したいと考えています。 臨床上有用な腫瘍マーカーを同定できれば、早期診断、経過観察、治療効果の判定、さらにこれらの情報にもとずく新たな治療体系の確立を含め幅広く活用されうると考えています。
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