2001 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイン酸投与下のマウス聴器奇形の発生機構に関する免疫組織学的研究
Project/Area Number |
13770948
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 徹 東京大学, 保健管理センター, 文部科学教官助手 (50332614)
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Keywords | レチノイン酸 / アポトーシス / 聴器奇形 |
Research Abstract |
研究調書に記載した計画に基づき、妊娠6-9日目の間にICRマウスにレチノイン酸約12.5mg/kgを単回投与し、胎児の奇形を誘導している。18日目(満期産)または9日目に屠殺して胎児を得ている。対照としてレチノイン酸非投与の胎児も同様に得ている。現在満期産(18日目)の胎児の肉眼的観察では、耳介低位、副耳、眼球突出、小眼症、外脳症、小顎症、口蓋裂などが認められた。外耳奇形の発生は、妊娠7日目投与群の胎児に集中しており、外耳の形成異常の成立臨界期は7日目前後であると結論した。また、得られた18日目胎児をホルマリン固定・パラフィン包埋して連続切片を作成し、聴器の奇形を確認したところ、7日目投与群胎児の病理標本で、内耳の形態は保たれていたが、外耳・中耳では外耳道閉鎖、耳小骨奇形、中耳腔の低形成など形態学的変化が著明であった。 ついで7日目投与群の妊娠マウスを9日目に屠殺して胎児を得、同様にパラフィン包埋して切片を作成している。細胞死(アポトーシス)によって生じたDNA断片をdUTPで末端認識するTUNEL法による免疫染色を行い、細胞死に陥った細胞を光学顕微鏡で観察した。その結果、レチノイン酸投与群では、対照群に比し耳胞腹側に現れるTUNEL陽性細胞数が明らかに少なく、また、第一・第二鰓弓の中枢側付近に密集して見られるTUNEL陽性細胞の密度が低いことが示された。これらの結果はレチノイン酸投与に伴い、アポトーシスの発生が修飾されていることを示していると考えられる。 本研究のこれまでの結果は1つの国内学会、2つの国際学会(2000年10月浜松市における第10回日本耳科学会総会および2001年2月および200年1月米国フロリダ州におけるAssociation for Research in Otolaryngology, Midwinter Meeting)にて発表した。英語論文は投稿準備中である。
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