2001 Fiscal Year Annual Research Report
頭頚部扁平上皮癌における血管新生抑制因子を用いた腫瘍抑制効果に関する研究
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13770973
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三上 康和 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10322356)
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌 / 血管新生 / Vascular Endothelial Growth Factor / Retinoid / basic fibroblast growth factor |
Research Abstract |
VEGFとbFGFは血管新生に関与する増殖因子で、頭頸部扁平上皮癌培養細胞株(KB, KCC-TC873,YCU-MS861,YCU-H891、YCU-T891)のVEGFとbFGFの産生を培養上清中ではELISA法、またmRNAの発現をreal-timePCR法で観察した。VEGFはすべての細胞の培養上清及びmRNAレベルにおいてその発現を認めたが、bFGFはYCU-MS861細胞でのみ認められた。Retinoids(ATRA, TAC-101)を10nMで48時間作用させると、VEGFの産生が蛋白及びmRNAレベルにて抑制された。次に、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)に対するRetinoidの増殖抑制効果をMTT法にて観察した。HUVECはVEGF, bFGFにより増殖が促進されたがRetinoidsを加えることにより刺激下における増殖抑制効果を認めた。また、HUVECをMatrigel上で5時間培養し形成されるtube formationに及ぽす影響について検討した。VEGFとbFGFによってtube formationは促進されたがRetinoid投与によりそれは抑制された。また、Flow cytometryにてRetinoidを作用させた時のHUVECにおけるTUNEL Positive cellを測定したが、特にApoptosis誘導効果は認めなかった。BALB/cのヌードマウスにKB細胞を移植し、ATRAを16mg/kg、TAC-101を8mg/kgを週5日、8週間投与して腫瘍の血管新生に及ぼす影響を観察した。摘出した腫瘍組織をCD31モノクローナル抗体にて免疫組織化学染色を行い、その血管数を測定した。Retinoid投与群においてはコントロール群より血管数が減少していた。以上の結果からRetinoidは血管新生抑制効果を有すると考えられた。
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