2001 Fiscal Year Annual Research Report
頭頸部扁平上皮癌における細胞周期関連タンパク質の発現-予後、薬剤感受性との関連について-
Project/Area Number |
13770974
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田口 享秀 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 助手 (60315786)
|
Keywords | 化学療法 / 細胞周期 / アポトーシス / p53 / p21 / p27 / cyclin E / Bax |
Research Abstract |
当科で樹立した頭頸部扁平上皮癌培養細胞17株(中咽頭癌由来3株、下咽頭癌由来1株、喉頭癌由来2株、舌癌由来7株、口腔底癌由来2株、上顎癌由来2株)において、p53に関連する細胞周期関連蛋白:p53,p21,p27,cyclinD1,cyclin E蛋白、およびアポトーシス関連蛋白:Bax蛋白の発現量をWestern blot法にて定量した。p53,p21,p27,およびcyclin D1蛋白において、発現のみられなかった細胞株があり、正常細胞に比べてp21とBax蛋白は発現量が少ない傾向があり、p27,cyclin D1,cyclin E蛋白は過剰発現傾向であった。またp53 statusに関しても、PCR-SSCP法などを用いて調べたが、p53のstatusとp53蛋白の発現量との間に相関は認められなかった。さらに各培養細胞で化学療法剤4剤:cisplatin,5-FU, vincristin, paclitaxelへの感受性(IC_<50>値)を求めた。以上の結果をもとにして、蛋白発現量と化学療法剤の感受性との間に有意な関連性が認められたものは、cisplatinにおいてp21,p27およびBaxであり、paclitaxelにおいてBaxおよびcyclin Eであった。現在、その細胞周期への影響およびアポトーシス出現の程度などより作用機序(薬剤感受性に違いのでるメカニズム)の解明を行っている。それと同時に、neo-adjuvant chemotherapyを行った頭頸部扁平上皮癌症例の臨床検体を用いて免疫組織染色などを行い、臨床への一致性および臨床応用への可能性を検討中である。
|