2002 Fiscal Year Annual Research Report
音響外傷に対するニモジピンおよびステロイド鼓室内投与の効果
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13770994
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉浦 夏樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (40318952)
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Keywords | モルモット / ニモジピン / ステロイド / 鼓室内投与 / 正円窓 / 音響外傷 / サリチル酸 / キニン |
Research Abstract |
感音性難聴の治療として各種薬剤の蝸牛を治療のターゲットとした局所投与療法が試みられ、その有効性が報告されるようになってきた。今回の研究の目的は、ニモジピンの皮下投与およびステロイドの正円窓への投与の、実験的に作製した蝸牛障害に対する効果を検討することであった。 音響外傷による変化は、モルモットに6kHz、100dBSPLの純音を10分間曝露して行った。さらに90dBSPLの純音を10分間曝露、100dBSPLの純音を5分間曝露など条件を変えて行ったが、100dBSPLの純音を10分間曝露させた際の変化が安定しており、蝸牛障害モデルとしては適切と考えられた。 蝸牛に対するステロイドの投与に関する検討では、実際の臨床で比較的報告の多いメチルプレドニゾロンを用いた。モルモットの正円窓膜上にメチルプレドニゾロンを浸したSpongelを置き、その後の蝸牛機能の評価をABRを用いて行ったが、有意な変化は認めなかった。 ニモジピンの蝸牛障害に対する効果についての検討では、サリチル酸による蝸牛障害に対しては蝸牛血流量の減少は消失したが、聴力変化に対しては効果がなかった。ニモジピンのキニンによる蝸牛障害に対する効果の検討では、キニンによる聴力障害および異常なCAP adaptation patternについても効果を認めなかった[Proc. of the Seventh International Tinnitus Seminar 2002,The University of Western Australia, Nedlands, Australia, 2002:P12.;Audiol Japan 2001 ;44:365-366.]。ニモジピンの、100dBSPLの純音を10分間曝露による蝸牛障害に対する効果では、ニモジピンを投与した後に音響外傷を負荷した場合も音響外傷を作製した直後にニモジピンを投与した場合もわずかな変化しか認めなかった。 正円窓膜上からのステロイド投与による音響外傷の予防性については、100dBSPLの純音を10分間曝露前からステロイドを局所投与した際は音響外傷は軽減されたが、音響外傷を作製した直後からステロイドを局所投与した場合はわずかな変化しか認めなかった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ochi K, Sugiura N, et al.: "The effects of salicylate on compound action potential and cochlear blood flow"Proc. of the Seventh International Tinnitus Seminar 2002, The University of Western Australia, Nedlands, Australia. 11 (2002)
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[Publications] Ochi K, Sugiura N, et al.: "The effects of nimodipine on ototoxicity induced by quinine"Proc. of the Seventh International Tinnitus Seminar 2002, The University of Western Australia, Nedlands, Australia. 12 (2002)
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[Publications] 木下裕継, 杉浦夏樹, ほか: "年齢のクリック・トレイン刺激に対する反応におよぼす影響"Audiology Japan. 45. 597-598 (2002)
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[Publications] 越智健太郎, 杉浦夏樹, ほか: "耳小骨筋反射と前庭性頸筋電位"Audiology Japan. 45. 619-620 (2002)
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[Publications] Kinoshita H, Sugiura N, et al.: "Changes in CAP adaptation in experimentally induced endolymphatic hydrops"Auris Nasus Larynx. 30(Suppl). 19-23 (2003)
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[Publications] Saito S, Sugiura N, et al.: "Vestibular-evoked myogenic potential in two patients with Ramsay Hunt syndrome"Auris Nasus Larynx. 30(Suppl). 89-92 (2003)