2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
福永 博之 久留米大学, 医学部, 助手 (70320231)
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Keywords | 喉頭反射弓 / 下部延髄 / Fos / コレラトキシン |
Research Abstract |
本年度の研究は、主にネコを実験対象動物とした標本作製と、一部研究の標本で標本の解析を行っている。今年度の標本作成では、ネコ10匹を用いた。まず、状披裂筋支配運動ニューロン標識を行った。 深麻酔科に気管切開を行い、開口部より声門下腔を手術用顕微鏡で確認しながら右甲状披裂筋にコレラトキシンを注入した。気管口は縫合閉鎖し、48時間から72時間の生存期間をおいた。再度深麻酔を行い、右上喉頭神経内枝を露出させ、双極の刺激電極を置いた。また、甲状披裂筋には、誘発される筋電図を確認するための双極電極を置いた。上喉頭神経に0.02-0.06mA、dulation0.3ms、0.5Hzの電気刺激を行い、甲状披裂筋の誘発筋電図を記録した。上喉頭神経刺激から甲状披裂筋の誘発筋電図がでるまでの潜時と、誘発筋電図の波形を確認して、1時間電気刺激を持続した。対照の標本はネコ5匹を用いて作成した。対照では、コレラトキシン注入、上喉頭神経、甲状披裂筋への電極留置は同様に行ったが、電気刺激は行わなかった。刺激終了後、ザンボニー液にて灌流固定し、延髄を摘出。延髄全体について、水平断の連続切片を厚さ50μmで作成した。これを、抗コレラトキシン抗体を第一抗体としたABC法と抗Fos抗体を第一抗体としたABC法の二重染色をおこなった。標本作成に引き続き一部標本で解析も行っている。上喉頭神経を刺激してから、喉頭の声門閉鎖が起こるまでの潜時は、7m秒から13m秒まで認められたが、9m秒以下の標本が大半であった。Fos陽性細胞は、孤束核、網様体、疑核、三叉神経脊髄路核に多く認めた。この他に、前庭神経核、迷走神経背側運動核、最後野、外側網様核、後疑核にも陽性細胞が出現した。電気刺激群と対照群の標本を比較すると、孤束核、網様体、疑核の周辺で電気刺激群のFos陽性細胞数が多い傾向が認められた。来年度は標本数を追加作成し、より詳しい解析を行う予定である。
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