2001 Fiscal Year Annual Research Report
漢方薬とその成分を用いた実験的ぶどう膜炎に対する新しい治療薬と治療法の開発
Project/Area Number |
13771016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
長木 康典 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (00272914)
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Keywords | 漢方薬 / インターロイキン1α / 前房内フレア / 黄連解毒湯 / オウゴン |
Research Abstract |
今回の科学研究費で、漢方薬による眼炎症性疾患に対する基礎的研究を行った。 方法:実験動物には有色家兎を用い、インターロイキン1αの硝子体内注射で惹起した眼内炎症に対する漢方薬(黄連解毒湯・オウゴン)の抑制効果を調べた。70匹の有色家兎を用いた。黄連解毒湯は、0.07%、0.2%及び0.7%の濃度で家兎飼料に配合し、この漢方薬含有飼料で家兎を5日間飼育した。オウゴンは0.02%, 0.07%, 0.2%の含有飼料で飼育した。インターロイキン1α(1, 2, 5, 10ng)を硝子体内注射を行ない眼内炎症を惹起した。経時的に前房内フレアの測定を行ない、漢方薬含有飼料食餌群と非食餌群で比較・検討した。 結果:0.2%及び0.7%黄連解毒湯投与群はコントロールに比し有意に前房内フレアの上昇を抑制した(P<0.001)。0.07%, 0.2%オウゴン投与群も有意な抑制がみられた(P<0.05, P<0.001)。黄連解毒湯とオウゴンはインターロイキン1αで惹起した眼内炎を抑制することを明らかとした(American Journal of Chinese Medicine, in press)。この基礎的研究によって眼炎症性疾患に対する漢方薬を用いた新しい治療法を発見した。
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[Publications] Nobuo Nakamura, Yasunori Nagaki, Seiji Hayasaka, Katsutoshi Terasawa: "Effects of Orengedoku-to and Scutellariae Radix Extract on Aqueous Flare Elevation Induced by Intravitreal Interleukin-1 Alpha in Pigmented Rabbits"American Journal of Chinese Medicine. (in press).