2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト角膜内皮細胞のcDNA作成および角膜内皮に異常をきたす原因遺伝子の解明
Project/Area Number |
13771039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
酒井 理恵子 自治医科大学, 医学部, 助手 (20316540)
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Keywords | ヒト角膜内皮細胞 / cDNAライブラリー / GS3582 |
Research Abstract |
(1)cDNAライブラリー作成 今回我々は、アメリカアイバンク(フロリダ)の協力により、ヒト角膜内皮細胞の供給を得ることができた。得られたヒト角膜内皮細胞のうち、死後7日以内で、角膜疾患及び感染症、内眼手術の既往のない16眼を用いて、cDNAライブラリーを作成した。 (2)データ解析 得られたcDNAライブラリーの解析を行った。Gene signitures(GS)が20bpより短いもの、最初の100bpに5bp以上確定できない塩基があるものを削除し、FASTA programで相同性検索を行って、同じ塩基配列を持つものをひとつのGSとしてまとめた。その後、他臓器における結果と共に発現プロファイルの構築を行った。その結果、全部で1460種の遺伝子が得られ、角膜内皮細胞に10回以上発現しており、重要な機能を有していると思われる遺伝子は、36種類あった。最も発現数の多かった遺伝子は、prostaglandin D2 synthaseであり、ついで乳酸脱水素酵素-A、3番目がribosomal protein L9とデータベースに登録のない未知遺伝子GS3582だった。 (3)未知遺伝子の同定 角内空皮細胞への発現数が多い未知遺伝子GS3582は、多臓器への発現が少なく、角膜内皮細胞に特異性が高いと思われたため、クローニングを行った。5'-RACE PCRクローニングとデータベースでの検索の結果、染色体4番の長腕に存在するovary-specific acidic proteinと名付けられている遺伝子に非常に良く類似していることが判明した。この蛋白質の生理機能は不明で、現在、解析中である。
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