2001 Fiscal Year Annual Research Report
正常および高脂血症家兎摘出毛様動脈の薬理学的性質,緑内障治療薬の効果
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13771042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
石川 均 北里大学, 医学部, 講師 (80265701)
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Keywords | 高脂血症 / 毛様動脈 / 眼循環 / 一酸化窒素 |
Research Abstract |
近年、一酸化窒素(NO)合成酵素を含む神経線維の存在が示され、眼動脈の拡張に重要な役割を示す事が報告されている。今回我々は高脂血症白色家兎の後毛様動脈を用いその性質を薬理学的、解剖学的に検討し正常コントロールと比較した。遺伝的にLDL受容体が欠損している高脂血症ウサギ屠殺後、後毛様動脈を摘出、微小血管収縮測定装置(J.P.Trading)に固定。当尺性収縮を記録した。毛様動脈条片はヒスタミン(106μM)により最大収縮を発生し、前収縮後フィールド刺激により弛緩を示した。この弛緩はNO前駆物質であるL-Arginieにて増強、一酸化窒素合成酵素阻害薬であるL.NAMEにより抑制、テトロドトキシンにより消失した。高脂血症群(n=8)、コントロール群(n=6)ともフェニレフリンにより容量依存的に収縮し、最大収縮は各々ヒスタミンの18±7%、61±5%であった。また前収縮後カルパコール(100μM)投与により各々51±5%、55±5%、神経刺激により各々54±5%、56±3%へ弛緩した。解剖学的には高脂血症群の後毛様動脈は血管平滑筋め萎縮が著明で、内弾性板の陥入が緩やかであったものの内腔の狭小化はなかった。以上の結果より家兎後毛様動脈にはNO作動性神経の存在が示唆され、高脂血症群ては薬理学的に血管収縮物質(交感神経α受容体刺激薬)に対する収縮の減弱が著明であった。しかし内皮依存性の弛緩反応、NO作動性神経による弛緩は高脂血症の影響を受けにくいことが示唆された。さらに血管の病理学的所見はこの機能的実験の結果を支持するものであった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Ishikawa, T.Yoshitomi, K.Mashimo, K.Shimizu: "Pharmacological effects of latanaprost, prostaglandin E_2 and F_<2α>on isolated rabbit ciliary artery"Graefe's Archive for Clinical and Experimental of Oplthal mdogy. (in press).