2001 Fiscal Year Annual Research Report
ラット高酸素負荷眼内血管新生における抗酸化物質の血管新生抑制とアポトーシスの検討
Project/Area Number |
13771046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
長谷部 康子 昭和大学, 医学部, 助手 (00307034)
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Keywords | 血管新生 / 眼 / ラット / in vivoモデル / 未熟児網膜症 / VEGF (Vascular Endothelial Growth Factor) / 過酸化脂質 / チオバルビツール酸反応物質 (TBARS) |
Research Abstract |
○高酸素負荷ラット眼内血管新生モデルはSprague Dawleyラット新生仔に生直後より12日齢まで80%酸素負荷を行い、網膜血管新生を誘導した。対照として大気中で飼育した動物を使用した。次年度におこなう抗酸化物投与に対するコントロールとするため、両群とも6日齢から17日齢まで生理食塩水投与を行った。 ○網膜展開標本を用い、血管新生について評価した。大気中飼育群では、全例で網膜血管の発達異常と無血管領域は認めず、血管新生スコアは0であった。酸素負荷群では、無血管野面積/全網膜面積(%)は15.9±1.9%(平均値±標準誤差)、血管新生スコアは、4.6±0.5であった(n=25)。高濃度酸素負荷により、網膜血管の発育抑制とそれに伴う異常血管の発生を認めた。 ○網膜硝子体を用い、生化学的検討を行った。VEGF(pg/g protein)の経時変化は、大気中飼育群では、12日齢で139.1±38.7、13日齢で102.0±12.3、15日齢で99.3±1.5、18日齢で58.8±3.3であった。酸素負荷群では、12日齢で97.7±10、13日齢で291.5±76.9、15日齢で268.1±15.6、18日齢で92.3±10.2であり、酸素負荷終了直後に最大値を示した。以上から、VEGFは、酸素負荷と引き続いておこる相対的低酸素状態により有意に一過性に増加したと考えられた(p<0.01)。 ○18日齢でのチオバルビツール酸反応物質:TBARS(n mol/mg protein)は、大気中で飼育した群では0.51±0.01、酸素負荷群では0.37±0.02であり、有意差は認めなかった。 以上のことから、高酸素負荷により眼内異常血管新生を生じ、これはVEGFの一過性の増加に伴い生じた可能性が示唆された。また、18日齢での過酸化脂質量は酸素負荷に関わらず変化を認めなかった。
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