2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
米川 浩伸 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (00296279)
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Keywords | 気管軟化症 / 気管軟骨 / 兎気管軟骨 / pDGF(血小板由来増殖因子) / TGF-β(β型腫瘍増殖因子) / HGF(肝細胞増殖因子) / FGF(線維芽細胞増殖因子) |
Research Abstract |
(目的)気管軟化症は呼気性の気管狭窄であり、その成因により先天性と後天性とに大別されている。先天性のものは気管軟骨の形成不全が原因とされ、生下時すでに存在する。その中で重篤な換気不全発作で気管内挿管が必要な場合や呼吸困難を伴う哺乳障害を示す場合は大動脈胸骨固定術やステント療法等の手術療法の適応となる。しかし大動脈胸骨固定術は手術適応が狭く、気管支レベルの軟化症には効果が少ない。またステント療法にはシリコン製、金属メッシュや形状記憶合金製チタンなど様々の素材が用いられているが、いずれも長期の気管内留置には向かないなどこの病体を完治するわけではなく治療に難渋しているのが現状である。今回我々は気管軟骨の治療を目的に、気管軟骨の成熟に関係する因子について検討した。 (方法)兎の気管軟骨を細胞レベルにまでコラゲナーゼで分離し気管軟骨モデルとして利用した。経日的に軟骨細胞モデルにpDGF(血小板由来増殖因子)、TGF-β(β型腫瘍増殖因子)、FGF(線維芽細胞増殖因子)、HGF(幹細胞増殖因子)、10%牛血清などを加え、培養条件を変えてトルイジン青染色、電子顕微鏡所見の指標を基に軟骨細胞の成熟度について、すなわち増殖因子、培養日数の違いを検討した。 (結果)各、増殖因子、培養期間、等の条件によりトルイジン青染色でメトクロマジーの量に差がみられた。また電子顕微鏡所見においても同様の所見がみられた。 (結論)兎気管軟骨の細胞を用いて気管軟骨細胞の成熟を経日的に軟骨細胞モデルにpDGF(血小板由来増殖因子)、TGF-β(β型腫瘍増殖因子)、FGF(線維芽細胞増殖因子)、HGF(幹細胞増殖因子)、10%牛血清などを加え、培養条件を変えてトルイジン青染色、電子顕微鏡所見の指標に検討した増殖因子や培養期間により成熟どに違いが見られ気管軟骨細胞の成熟に増殖因子が関与していることが示唆された。
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