2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯胚発育障害における基底膜型ヘパラン硫酸プロテオグリカンの役割
Project/Area Number |
13771071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
依田 浩子 (米持 浩子) 新潟大学, 医歯学総合研究科, 助手 (60293213)
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Keywords | ヘパラン硫酸プロテオグリカン / パールカン / 歯胚発育障害 / エナメル器 / アンチセンス / 器官培養 / 物質輸送 |
Research Abstract |
今年度は正常歯胚組織の発育過程におけるin vivoでのHSPG局在を明らかにする目的で,各歯胚発育段階のマウス下顎第一臼歯歯胚(胎生11, 13, 15, 18日齢,生後1, 6, 10日齢)について,パラフイン連続切片をもちいて,HSPGコア蛋白質の局在およびHSPG遺伝子発現を免疫組織化学的およびin situハイブリダイゼーション法にて検索した。その結果,HSPGコア蛋白質は蕾状期歯胚組織のエナメル器および歯乳頭組織に局在しはじめ,とくに,エナメル器星状網細胞の細胞間隙にきわめて豊富に存在していた。また,鐘状期では,エナメル基質形成開始期に限局して,内エナメル芽細胞の細胞基底側および側面の細胞間隙にHSPG免疫陽性の小胞状拡張が出現し,周囲の内エナメル髄細胞にHSPG遺伝子発現がみられた。さらに,象牙芽細胞にもHSPG遺伝子発現が強く認められた。したがって,HSPGがそれらの細胞分化およびエナメル基質・象牙質基質合成に関与している可能性が示唆された。また,エナメル上皮腫でもほぼ同様な所見がえられ,腫瘍胞巣内のエナメル髄内にHSPGが特異的高濃度に局在し,腫瘍の増殖や浸潤過程において,腫瘍胞巣への物質輸送の担体として作用している可能性が示唆された(裏面:研究発表)。次に,HSPGの関与する歯胚発育障害機構を解明する目的で,アンチセンスHSPGオリゴヌクレオチド添加・非添加下にて歯胚器官培養をおこなった。現在までの結果では,アンチセンス添加群の培養歯胚組織では,エナメル器の発育および象牙芽細胞分化が悪いことが確認されており,HSPGがエナメル芽細胞および象牙芽細胞分化に重要であることがin vitroでも明らかになりつつある。
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Research Products
(1 results)