2002 Fiscal Year Annual Research Report
水不溶性グルカン分解酵素の遺伝子クローニングとその解析
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13771081
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
森崎 弘史 昭和大学, 歯学部, 助手 (30317581)
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Keywords | Prevotella oralis / ムタナーゼ / デキストラナーゼ |
Research Abstract |
昨年度の本研究の結果から、Prevotella oralisのムタナーゼの活性を試験管内で検出することが困難であることが判明している。また、P.oralisによる寒天培地中でのムタン分解はムタナーゼ単独によるものではなく、デキストラナーゼなど他のグルカナーゼとの共同作用による可能性も考えられる。そこで本年度は、P.oralisのデキストラナーゼの遺伝子クローニングを行うことを目的とした。デキストラナーゼについてはStreptococcus属で解析が進んでおり、同じ機能を持つ酵素であれば異なる種でも類似した構造を持つ可能性が考えられることから、本研究ではまずStreptococcus mutansのデキストラナーゼの解析を進めることとした。Streptococcus属のデキストラナーゼは菌種間でよく保存された保存領域とその両端の可変領域からなることが明らかとなっている。これまでのS.mutansのデキストラナーゼの解析結果から保存領域内に活性中心が存在することがわかっている。しかし、その活性中心を変異させた部位特異的変異体は基質に対する結合能を保持しており、活性中心以外に基質結合に関与する領域が存在すると考えられた。そこで、S.mutansのデキストラナーゼのN末端およびC末端欠失変異体を作成し、デキストラナーゼ活性とデキストラン結合能を解析した。その結果、保存領域のC末端側およそ120アミノ酸がデキストラン結合に必須であることが明らかとなった。これらの結果をもとに保存領域中で特に相同性の高いアミノ酸配列を選出しdegenerate primerを作成してdegenerate PCR法によるP.oralisデキストラナーゼの遺伝子クローニングを試みた。しかし現在までのところ目的とする遺伝子断片は得られておらず、条件検討が必要と考えられる。
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