2001 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜の炎症におけるレチノイン酸の役割と作用メカニズムについて
Project/Area Number |
13771083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
竹之内 信子 日本大学, 歯学部, 助手 (50246914)
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Keywords | retinoic acid / polymeric immunoglobulin receptor / TNF-a |
Research Abstract |
HT-29細胞を10ng/ml TNF-α及び様々な濃度のall-trans retinoic acid(ATRA)で48時間刺激し,培養上清および細胞を回収した。培養上清は約20倍に濃縮し,抗SC抗体およびHRP標識抗SC抗体を用いたELISA法でSC量を測定した。また,細胞からtotal RNAを抽出し,northern blot法を用いてpIgR mRNA発現量を検出した。その結果,TNF-αとATRAの同時刺激で,培養上清中のSC量がTNF-α単独刺激よりも顕著に増加した。SC量の増加はATRAが1μMの時に最大であった。RAR特異的agonistである4-[E-2-(5 6, 7, 8-tetrahydro-5, 5, 8, 8-tetramethyl-2-naphthalenyl)-1-propenyl] benzoic acid(TTNPB)を加えても同様に培養上清中のSC量の増加が認められることから,ATRAの直接的な作用によるものであることが示唆される。また,RAR isoformのagonistである,4-[(5, 6, 7, 8-Tetrahydro-5, 5, 8, 8-tetramethyl-2-naphthalenyl)carboxamido]-benzoic acid (AM-580, RARα specific)ではSC量の顕著な増加が見られたがN-(4-hydroxyphenyl)retinamide(4-HPR, RARγ>RARβ)ではSC量の増加に変化が認められなかった。従ってATRAによるSC量の増加はRARαを介したものであることが示唆される。さらに,ATRAによるSC量の増加はnorthern blot法の結果より転写レベルによって制御されていた。以上の結果から,HT-29細胞においてATRAはRARαを介し,TNF-αによるSC産生量を転写レベルで増加させることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)