2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔白板症の悪性化における遺伝子不安定性の関与についての解析
Project/Area Number |
13771087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
槻木 恵一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (00298233)
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Keywords | 口腔白板症 / 遺伝子不安定性 / マイクロダイセクション |
Research Abstract |
本年度は、口腔白板症における悪性化にマイクロサテライト領域の遺伝子異常およびテロメア長の短縮化が関与するか主として検討した。今回解析した領域は、p53、HGF、CA19-9、DUPAN-II、MSH1、MSH2等を検討した。その結果、口腔白板症のステージと今回検索した領域の異常との間に有意な相関関係は見出せたのはp53のみであった。特に、悪性度の高い症例を個別に検討するとp53の異常の蓄積が極めて重要である可能性が考えられた。また、口腔白板症のうち上皮内癌を示す症例ではテロメア長の短縮化を示す症例が認められた。さらに一部の症例ではあるが、mile dysplasiaを示す症例で、隣接正常口腔粘膜上皮組織よりテロメア長の短縮が認められた。以上はパラフィン切片をwholeで用いたとき得られた結果であり、細胞一個単位で採取し解析するレーザーキャプチャ-マイクロダイセクション法を用いてより詳細な解析を継続した。レーザーキャプチャ-マイクロダイセクション法において、上皮細胞の形態的所見に基づき口腔白板症のステージ別に解析した結果、細胞500-1000レベルでは解析不能であった。2500個以上採取すると良好な結果が得られ始めた。そこで、2500個を1解析に採取する細胞数と決定し検討した。ファンニー貧血に合併した口腔白板症およびそこから発生した舌扁平上皮癌においけるp53の解析において、組織学的グレーデイングと極めて良好な相関が得られた。今後、引き続き研究を継続し、次年度以降は特にhTARTとの関連にも注目していきたい。
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