2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌の産生するプロテアーゼの高次構造形成と輸送に関する研究
Project/Area Number |
13771097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
岡元 邦彰 長崎大学, 歯学部, 助教授 (10311846)
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Keywords | Arg-gingipain / cysteine proteinase / Lys-gingipain / periodonatal disease / Porphyromonas gingivalis / Transport |
Research Abstract |
Arg-gingipain(RgP)とLys-gingipain(Kgp)は歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalis(P.g.)が産生する主要なシステインプロテアーゼである。精製酵素によるin vitroの実験から、両酵素は個別に、あるいは相互に協力しながら、宿主蛋白質の分解や宿主細胞の傷害を引き起こし、歯周病に関連するさまざまな病態を生み出すと考えられている。また、両酵素は本菌が歯周ポケットで発育増殖するための生存戦略、すなわち、共凝集・接着・血球凝集、ヘモグロビン結合アミノ酸およびヘム獲得などの機構において、必須の役割を果たしていることが明らかにされている。しかし、それらの酵素の輸送機構に関しては全く解明されていない。一般的に用いられる大腸菌で発現させることを試みたが、活性型を発現させることはできなかった。そこで、今年度はP.g.菌体内で安定に維持できるプラスミドpYKP028を用い、Kgpを発現するためのベクターの構築を行った。まず、Kgp遺伝子のプロテアーゼ活性をすべて含んだ領域(KpnI fragment)をpYKP028のKpnI部位に挿入し、これを発現ベクターとした。それと同時に、Kgpと血球凝集素ドメインをもつkgpの全遺伝子を含んだ領域もpYKP028に挿入するために、1カ所アミノ酸は変えずに制限酵素KpnIの切断部位をなくすmutationを行った。現在、構築したベクターをエレクトロポレーション法でKgp欠損変異株へ導入する実験を行っている。今までエレクトロポレーション法は用いられていないので、導入株が採取できない場合にはpYKP028に組み込まれているmobilization geneを用いて、接合伝達でプラスミドをP.g.菌体内へ導入する。そして、テトラサイクリンをマーカーとしてKgp遺伝子の導入された菌株を選別してくる予定である。
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