2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山本 正文 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (80210558)
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Keywords | コレラ毒素 / 無毒化コレラ毒 / リポ多糖 / アジュバント / 粘膜ワクチン / 経鼻免疫 / 易熱性毒素 / ジフテリア |
Research Abstract |
申請者らはこれまで無毒化コレラ毒素(mCT)のアジュバント誘導メカニズムを解明するために,抗原提示細胞,CD4^+T細胞におけるmCT,CTおよび毒素原性大腸菌の易熱性毒素(LT)の効果について解析し、LTはIL-4に依存しないTh2型サイトカインを誘導するシグナル伝達経路を有し,そのIL-4非依存性Th2型サイトカインにより粘膜面におけるIgA産生を促すことが示唆された.本研究ではmCTの有するアジュバント誘導活性がアラキドン酸活性に依存するかどうかをprostaglandin D2欠損マウスを用いて解析した。prostaglandin D2欠損マウスに破傷風類毒素(TT)をmCTとともに経鼻免疫した結果、全身系、粘膜系組織ともに野生型と同様なTT特異的抗体応答が誘導された。したがって、mCTのアジュバント誘導に際して、アラキドン酸活性が関与していないことが示唆された。一方、これまでのmCTの調整ではmCT10μg中に2.5-12ngのリポ多糖(LPS)が含まれていた。LPSは様々な生物学的活性を有するため、mCTの持つアジュバント効果にLPSが関与している可能性が示唆される。また、ヒトに応用するアジュバントにおいてはGMPレベルでの調整が要求され、LPSの混入を極力避ける必要がある。そこで、エンドトキシン吸着カラムを用いてmCTに含まれるLPSを除去し、LPS除去mCTのアジュバント効果を測定した。その結果、1ng/10μg以下のLPSを含むmCTが得られた。このLPS除去mCTをアジュバントとしてタンパク抗原であるdiphtheria toxoid(DT)とともにマウスに経鼻免疫した結果、血清中に野生型CTをアジュバントとして用いた群に匹敵するDT特異的IgG抗体応答が誘導された。さらに、唾液、鼻腔洗浄液中にDT特異的IgA、肺洗浄液中にIgG、IgA抗体応答が認められた。また、免疫したマウスの血清および肺洗浄液を用いてジフテリア毒素に対する中和活性を測定した結果、血清では1/512、肺洗浄液では1/4の中和抗体価が認められた。以上の結果より、LPS除去mCTは効果的なアジュバントであることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohmura, M., Yamamoto, M., Kiyono, H., Fujihashi, K., Takeda, Y., McGhee, J. R.: "Highly purified mutant E112K of cholera toxin elicits protective lung mucosal immunity to diphtheria toxin"Vaccine. 20. 756-762 (2002)
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[Publications] Kweon, M.-N., Takahashi, K., Yamamoto, M., Jang, M. H., Suenobu, N., Kiyono, H.: "Development of antigen induced colitis in SCID mice reconstituted with spleen derived memory type CD4+CD45RB+ T cells"Gut. 50. 299-306 (2002)
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[Publications] Fujihashi, K., Dohi, T., Rennert, P.D., Yamamoto, M., Koga, T., Kiyono, H., McGhee, J.R.: "Peyer's patches are required for oral tolerance to proteins"Proc. Natl. Acad. Sci. USA.. 98. 3310-3315 (2001)