2001 Fiscal Year Annual Research Report
PIXE分析によるダイナミックMRIと高速螺施CTでの腫瘍血管、血流の画像評価
Project/Area Number |
13771118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
犬童 寛子 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00301391)
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Keywords | PIXE分析 / Gd造影剤 |
Research Abstract |
当初、試料のPIXE測定を依頼する予定であった(株)イオン加速器ではサイクロトロンのアクシデントにより、測定が長期にわたり休止することになり、そのため日本アイソトープ協会仁科記念サイクロトロンセンターにて、測定を行うことになった。また予定していた血液材料による造影剤の血中濃度の他、唾液への造影剤の移行が測定されれば、今後非侵襲的に最適撮像タイミングが予測されうることを発見した。そこで同センターにて予備実験として、血液と、唾液腺からカテーテル法により採取した唾液にGd造影剤を極微量混入させ、PIXE分析を行った。GdについてはLaのスペクトルを測定した。試料作成を同センターで行い、サイクロトロンでの測定自体は岩手医科大、世良先生、アイソトープ協会二ツ川先生より、FUTATSUGAWAの方法に準じて行った。結果-血液においてはK、Clが非常に高値であったが、KaスペクトルがGdのLaスペクトルに近いFeが妨害金属となった。実際の測定では1μg/g程度は検出されたが、この程度が限界と思われた。唾液へのGd造影剤移行濃度は血液よりもはるかに低いが、妨害金属が少ないため、検出限界が低く、充分実用になりうると示唆された。実際の測定では40μg/gでも充分に測定可能であり、1μg/g以下も可能であることが示唆された。内部標準には今回の実験ではGd自体とSeraによる自己標準法を使用したが、今後In標準液によるさらに正確な定量を行う必要も示唆された。また採唾はカテーテルによるものであり、口腔内に排出した唾液でも可能であるかは今後の検封課題となった。PIXE分析は実行可能な施設が限られるため、試料の輸送が不可欠である。試料は妨害元素スペクトルを出さず、自己吸収の少ない極薄の膜で保持する必要がある。このため特に血液試料の保管、輸送がかなり困難であり、今後、改良が必要であることが考えられた。
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