2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川本 千春 北海道大学, 歯学部・付属病院, 助手 (60301909)
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Keywords | 等方加圧技術 / 陶材 / バインダー / 球状粉末 / 収縮 / 機械的物性 |
Research Abstract |
陶材は古くから使用されている審美歯科材料で、コンポジットレジンと比較し、化学的安定性、生体親和性、耐摩耗性に優れている。しかしながら、この陶材も、技工操作が煩雑で熟練を要するという大きな欠点がある。そこで、工業界でセラミック等を簡便かつ均質に成形するための等方加圧技術(以下CIP)に着目した。これまでは、CIPを用いた方法での一連のプロセスを確立し従来の方法で作製したものと同程度の機械的性質を有する修復物を得ることができたが、焼成収縮については改善が必要であった。そこで13年度には、粉末充填率の向上、焼成収縮の低減を期待し、摩擦抵抗の少ない球状化2粉末粒子、さらに、粒子間のすべりをよくするため、数種のバインダー添加した球状粉末を試作し、焼成収縮及び機械的物性に及ぼす影響を検討した。 球状化粉末には水のみでバインダーを添加していない陶材粉末とアクリル系、ワックス系、あるいはポリビニールアルコール系バインダーを陶材粉末に添加したものを作成した。その結果、球状化した陶材粉末を用いたものは、従来市販されている陶材粉末(破砕状の粉末)に比べ有意に焼成収縮が減少した。また、バインダーを添加することにより、更に焼成収縮は減少したが、バインダー間による収縮率の差は認めなかった。機械的物性については、球状化による差は認めなかったが、バインダーを添加したものでは物性が低下した。 以上よりCIPを用いた方法における焼成収縮の改善には球状化粉末は有効であり、またバインダーの添加についてはさらに検討する必要がある。 これらの結果は第115回日本歯科保存学会および国際歯科研究会総会にて報告した。
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Research Products
(1 results)