2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771125
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川本 千春 北海道大学, 歯学部附属病院, 助手 (60301909)
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Keywords | 冷間等方加圧法 / 球状化 / 陶材 / 脱バインダー / 収縮率 / 二軸曲げ強 / 圧力 / インレー |
Research Abstract |
陶材は、色調、耐摩耗性、生体親和性に優れているが、技工操作が煩雑で熟練を要し作製に時間がかかる。従来のコンデンス法に代わる方法として、冷間等方加圧法(CIP)を応用して作製した陶材インレーは従来の方法と同程度の機械的性質を有し再現性のある修復物を作製できたが、焼成収縮の改善が必要であった。本研究では、(1)陶材粉末を球状化し粉末充填率の向上を図った。(2)球状粉末の脱バインダー処理の影響を調べた。【材料と方法】試作陶材粉末:陶材粉末に、アクリル系、ポリビニールアルコール系およびワックス系バインダーを添加し、球状形態を付与した。方法:円柱状窩洞(φ13×2mm)を有する耐火模型に粉末を充填、密閉後CIP装置にて200MPaで加圧成形した。その後、(1)は真空下、(2)は0〜60分脱バインダー処理後真空下で970℃まで焼成した。物性測定:焼成体の収縮率、二軸曲げ強さおよびSEM観察を行い、ビッカース硬さ、密度を測定した。【結果および考察】(1)収縮は、球状粉末では破砕状粉末に比べ有意に減少したが曲げ強さは低下した。SEM観察においてインレー体内部に気泡が観察されたことから、添加したバインダーが気化できず炭化またはガス化し焼成体内部に残留したと考えられる。(2)脱バインダーを行う事によってアクリル系のみ収縮は破砕状粉末に比べ有意に減少したが、曲げ強さは低下した。しかし、コンデンス法で作製される陶材インレーと同程度の強さを示したことから、臨床的に十分な強度と考えられた。 以上のことから、粉末を球状化することで加圧成形性が向上し、CIP圧の低減および収縮率、物性の向上、装置を小型に安価にすることができると考えられる。さらに、焼成体内部の欠陥発生を減少させるための脱バインダー処理工程の追加することで陶材インレーの作製にCIP法を応用、実用化の可能性が高まったと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 小西順子: "冷間等方加圧法で作製した陶材インレーに及ぼす脱バインダー化球状粉末の影響"日本歯科保存学雑誌. 45・6. 1213-1222 (2002)
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[Publications] Chiharu Kawamoto: "Improved Contraction of Porcelain Inlay by CIP method"Journal of Dental Research. 81・Special Issue. 251 (2002)
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[Publications] Junko Konishi: "Effect of sphericalyzed particles on the firing contraction of porcelain inlay processed by cold isostatic pressing"Journal of Biomedical Materials Research.