2001 Fiscal Year Annual Research Report
半導体レーザーを用いたう蝕診断装置の臨床的応用に関する研究
Project/Area Number |
13771148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
佐久間 恵子 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (80221274)
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Keywords | う蝕診断法 / DIAGNOdent^<TM> / 感染歯質 / う窩 / エナメル質の厚さ / Lussi / 再石灰化 / 切削の要否 |
Research Abstract |
これまで報告のあったDIAGNOdent^<TM>の基礎的な研究の結果をベースに臨床的な場でどのように応用できるかということに取り組みつつ、さらなる基礎的事項の検討を行ってきた。なかでも、切削を必要とするう蝕であるか否かの判断として、Lussi(1999)が示したガイドラインを基準に臨床的診断を行い実践し、測定値の記録と同時に歯質の状態を撮影により記録しデータとした。そして、測定値を参考にして必要に応じて切削もしくは経過観察をしてきた。また、感染歯質との識別にも応用し、既存のう蝕検知液と併用・比較を重ね、そのデータも記録してきた。二次う蝕の識別や着色による数値の反応なども随時試みた。データは現在も収集中である。また、歯質の再石灰化という問題になると、さらに経過観察の時間が必要であると思われる。基礎的研究のほうでは、う窩を覆うエナメル質の厚さが測定値に及ぼす影響について以前から検討していたものを日本歯科保存学会で発表し、論文にまとめた。すなわち、う蝕象牙質の上に実験的に健全な、厚さの異なるエナメル質を介在させた場合は厚さが厚くなるほどDIAGNOdent^<TM>の測定値は小さな値を示した。また、う窩がエナメル質で覆われている抜去歯を用いて咬頭側からエナメル質を削去して厚さを減少させていくと、その厚さが0.5mm以上存在する場合には直下の象牙質う蝕を感知しづらく、測定値が小さくなることが多かった。しかし、覆っているエナメル質の状態は一様ではないため、その影響により、厚さと測定値の関係は一定ではなかった。 現在、データの整理を行うとともに、経過観察中のものについてはその測定値の変化や口腔内性状について等の更なる検討が必要であると思われる。また基礎的な問題点についても新たに取り組んでいく予定である。
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