Research Abstract |
ヒト抜去歯より歯冠部エナメル質を直径3mm以上になるよう切り出し,歯牙漂白剤ハイライト(松風)を塗布後,光照射180秒間,水洗60秒間行い,この操作を3回繰り返したのち,5分間超音波洗浄を行い,乾燥させた試料表面を分光側色計CM-2600d(ミノルタ)にて計測し,L*,a*,b*値を算出した.計測後の試料のうち10個を0.1%ブドウ果皮水溶液に,また,別の10試料を対照として蒸留水にそれぞれ37℃で3ヵ月間浸漬したのち,1分間水洗,乾燥させ再び試料表面を分光側色計にて計測し,L*,a*,b*値を算出し,浸漬前の測定値から,色差ΔE*abを計算した.その結果0.1%ブドウ果皮水溶液に浸漬した試料において,色素沈着によると考えられる結果を得た. 現在,上記と同様に,エナメル質をハイライトにて処理後,3%フッ化ナトリウム水溶液に3分間浸漬した試料表面を分光側色計にて計測し,L^*,a^*,b^*値を算出したのち,10試料を0.1%ブドウ果皮水溶液に,また,別の10試料を対照として蒸留水にそれぞれ37℃で長期浸漬中である. この浸漬後の試料を分光側色計にて計測し,浸漬前のとの色差ΔE^*abを計算することによって,3%フッ化ナトリウム水溶液浸漬の色素沈着への影響を検討する. また,ハイライトにて処理後色素浸漬前と後とのエナメル質表層をX線光電子分光分析装置にて分析中である.
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