2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井上 貴章 東京医科歯科大学, 歯学部・附属病院, 助手 (20323719)
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Keywords | 顎顔面補綴 / 顎義歯 / 有限要素法 / 応力解析 |
Research Abstract |
口腔癌の手術後には顎骨欠損や歯牙欠損を伴い、咀嚼、嚥下、構音等の重要な口腔機能や審美性が著しく損なわれ、患者の社会復帰の障害となる。そのリハビリテーションの手段として、顎補綴治療が行われるが、特に上顎の顎補綴では、個々の症例の現症に差があり、様々な治療経過、術後経過をたどるため、術者や施設により治療方針、治療評価が異なる。このため、顎補綴治療の限界や可能性が不明確な状況で治療が行われているのが現状であり、的確な診断、治療方針、治療評価を確立することが急務といえる。そこで今回、顎義歯本体の振動解析との比較ならびに顎義歯装着時の振動解析を行うための予備実験として、モデル上での機能時における顎義歯の動態を把握することを目的とし、三次元有限要素法を用いて、顎義歯の荷重時の応力解析を計画した。平成13年度は解析を行うための顎義歯三次元有限要素モデルの作成を行った。パーソナルコンピュータにて、汎用有限要素法解析プログラムCOSMOS/M(SRAC社/横河技術情報社製)を使用し、左側第1、第2小臼歯、第1、第2大臼歯の欠損を伴う左側上顎骨欠損症例を想定し、有限要素モデルを構築した。顎義歯はレジン、Co-Cr、Pt-Auの3種類の材料を設定、さらに栓塞部の構造を充実型、中空型、天蓋解放型の3種類とした。 平成14年度は完成した有限要素モデルを用い、健側ならびに患側に荷重点を設定し、それぞれに荷重10Nの垂直荷重を付与した際の応力分布を、各材料間で比較、栓側部の形態差により比較を行い、応力の集中が少ない顎義歯の材料、栓側部の形態を検討する。
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