2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
伊藤 誠康 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (80307876)
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Research Abstract |
顎機能異常と聴覚系機能との関連がしだいに明かとなりつつある。しかしながら,耳科において異常の認められない,いわゆる不定愁訴である耳鳴,めまい,耳痛などを伴う顎関節症患者のなかには顎関節雑音,開口制限などのほかに咬筋,側頭筋などの咀嚼筋の疼痛を呈する者も少なくないことは周知の通りである。また,咀嚼筋疼痛の改善と共に耳鳴,耳痛が消失することも知られている。本研究では,咀嚼筋の疼痛と不定愁訴である耳鳴,めまい,耳痛などの聴覚系機能異常との関連の解明を目的として,咬筋の低周波電気パルス刺激による咀嚼筋緊張の緩和,機能改善が中耳機能,耳小骨筋反射などの聴覚系,筋神経機能を機能改善の指標としてなりうるか定量的評価を行う。今年度は,健常成人を対象として刺激前後の検討を行った。 インフォームド・コンセントが得られた健常成人9名(18耳)を対象としてマイオモニター(マイオトロニクス社)による咀嚼筋電気刺激前後のTympanometry(Impedance meter MA4000・モリタ)の中耳機能および音響性耳小骨筋反射(GSI33middle ear analyzer・Grason-Stadler Inc.)の潜時L1の測定を行った。その結果, 1.Tympanometryの中耳機能では刺激前後において有意な反動は示されなかった。 2.音響性耳小骨筋反射の潜時L1では有意な潜時の延長が示された。 マイオモニター刺激前後の中耳機能および耳小骨筋反射測定の結果,中耳機能には影響を示されなかったが,耳小骨筋反射潜時L1では延長傾向が示された。これはマイオモニター刺激による筋リラクゼーション効果により聴覚系反射機能への影響が示唆された。
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