2001 Fiscal Year Annual Research Report
顎骨嚢胞壁線維芽細胞由来の液性因子による歯根嚢胞の成因増大の解析
Project/Area Number |
13771203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
楠美 昭則 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (90332494)
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Keywords | 歯根嚢胞 / 定量RT-PCR / IL-6 / MAP kinase |
Research Abstract |
本年は定量RP-PCR法による解析法の確立を行った。歯根嚢胞壁線維芽細胞内で発現しているIL-6 mRNAについて解析し、解析装置はロッシュ社ライトサイクラー(当講座既設)を用いた。定量RT-PCR法は、サンプルの間のmRNAの発現差の解析を目的としており、外部標準遺伝子を用いることで、発現量の絶対値が得られ比較が可能である。しかし、この定量RT-PCR法に用いる外部標準遺伝子は未だに、世界的に確立していない。そこで、今回、申請者は、この外部標準遺伝子として目的の遺伝子を大量生産し、これを用いて定量化を行った。目的の遺伝子は内部標準のPBGD遺伝子とヒトIL-6遺伝子を用いた。ヒトPBGD遺伝子及びヒトIL-6遺伝子は、正常ヒト線維芽細胞から発現しているmRNAを逆転写酵素でcDNAにし、それぞれのプライマーで増幅したPCR産物をTAクローニング法によって、ベクターBluescriptIISK(+)にPCR産物を組み込んだ。まず、ベクターをEcoRVで消化し、ベクターの3'末端にdTを付加し、PBGDのPCR産物を組み込み、さらに、SmaIで消化した後、同様にヒトIL-6遺伝子を組み込み、1つのベクターに内部標準遺伝子とIL-6遺伝子を組み込んだ。ベクターに正確に組み込まれたかどうか確認するためABI PRISM310(当大学既設)を用いて、組み込んだ遺伝子の塩基配列の確認を行った。サイトカイン産生通り、正常歯肉、正常歯根膜に比べ、歯根嚢胞壁線維芽細胞からのIL-6 mRNAの産生は有意に高かった。さらに、転写因子であるNF-IL-6, NF-κB, NF-IL-6βの解析が必要となるが、その上流域であるMAP kinase familyの解析をWestern blotting法(本年度申請品)で解析を試みている。今年は、症例が少なかったため、正常歯肉及び正常歯根膜細胞のついての解析だが、これらの細胞は、歯根嚢胞壁線維芽細胞のoriginになると考えられるため、大変意義のあることとなる。
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