2001 Fiscal Year Annual Research Report
舌下神経切除モデルを用いた血管柄付神経の早期軸策再生に関する実験的研究
Project/Area Number |
13771206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小泉 敏之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80323575)
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Keywords | 血管柄付神経移植 / 遊離神経移植 / 早期軸索再生 |
Research Abstract |
目的:顎顔面領域の悪性腫瘍に対する根治的手術の際、運動神経および知覚神経が同時に切除される場合が多く、患者のQOLの低下に直結する。近年、術後の機能低下を最小限にとどめるための術式が開発・応用されており、皮弁による再建舌に対して、遊離神経移植や血行を温存した移植神経の吻合を行う術式の報告も散見される。しかし、その優位性の評価は一定していない。本研究では白色家兎を用い、術後の口腔機能低下の大きな要因である舌下神経切除モデル、4cmの血管柄付島状耳介神経片を開発し、遊離神経移植と血管柄付神経移植における再生軸索を組織定量的に比較することで、軸索再生過程の差違を検討し、血管柄付神経移植の優位性を基礎的、実験的に検証する。 本年度は、モデル動物の開発および作成に主眼をおいた。 方法(モデル動物の作成) 1.舌下神経切除モデル 日本白色家兎を用い、舌下神経切除モデルを作成した。十分な長さの移植神経の再生過程を検討するために、4cmの神経移植を可能とする(舌下神経を3cm切除し、過度の緊張をさけるため4cmの神経を移植)ものとした。これに以下で述べる血管柄付神経移植および遊離神経移植を行った。 2.血管柄付神経移植モデル 血管柄付神経片採取は、後耳介動脈、伴走静脈および後耳介神経を使用した。同部位を用いたことで比較的長い神経片の採取が可能となった。この血管柄付島状神経片を手術用顕微鏡使用下で、神経切除モデルの神経に逆行性に吻合し、血管柄付神経移植モデルとした。 3.遊離神経移植モデル 遊離神経移植は、血管柄付神経と同じく後耳介神経から神経片を採取し、手術用顕微鏡を使用して神経切除モデルの神経断端に縫合し、遊離神経移植モデルとした。 以上のモデルの開発を完了し、作成を行っている。また、組織学的、および組織定量的評価用サンプルを順次作成中である。
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