2001 Fiscal Year Annual Research Report
増殖因子および骨髄細胞の立体培養を用いた骨修復法の確立
Project/Area Number |
13771209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
黒田 真司 東京医科歯科大学, 歯学部・附属病院, 助手 (50323689)
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Keywords | 遺伝子導入 / Plasmid vector / リン酸カルシウム法 / 骨修復 |
Research Abstract |
本研究の目的は、遺伝子導入法による、確実で簡便な、そして安全な骨修復法の確立を検討することである。今日の遺伝子治療の多くはvirus vectorによるものであるが、そのvirus vectorは導入効率が良い反面、免疫反応やタンパク発現に対する制御の問題など、危険性を兼ね備えている。そこで今年度は、古典的で簡便なリン酸カルシウム法を用いて、安全性が確立されているplasmid vectorをin vivoにおいて直接導入する方法を検討した。 Plasmid vectorとしては蛍光タンパクをコードするpEGFPを用い、通法によってリン酸カルシウムとの混合溶液を作製した。次に、生体親和性の高いコラーゲンゲルをキャリアーとして選択し、plasmid vectorを含むリン酸カルシウム溶液とさらに混合させた後、凍結乾燥にて円柱状の「ペレット」を作製した。ここで、「ペレット」はplasmid vectorを充分に保持することが示唆された。 10週齢雄Wister ratの頭頂骨骨膜下に「ペレット」を埋入し、一定期間飼育後、頭頂骨周囲における蛍光タンパクの発現を、レーザー顕微鏡にて観察した。その結果、「ペレット」を舞入した部位に限局して、蛍光タンパクの発現が観察された。 本年度の研究結果から、リン酸カルシウム法を応用することにより、rat骨膜下へのplasmid vectorの遺伝子導入が確認された。またその遺伝子導入は、限局していた。 In vivoの遺伝子導入法において、リン酸カルシウム法を応用した実験例は報告されていない。この方法が確立されれば、確実で簡便な、そして安全で安価な組織再生法の一つとして利用される可能性が高い。今後は、「骨修復」に必要なタンパク(FGFs, BMPs, VEGF, etc.)をコードする遺伝子のリン酸カルシウム法による導入を、培養骨髄細胞あるいは骨芽細胞前駆細胞等を用いて確認し、in vivoへの応用を検討していく予定である。
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Research Products
(1 results)