2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサテライト多型を用いた口唇・口蓋裂発症に関する新たな候補遺伝子の探究
Project/Area Number |
13771210
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
藤田 一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (60271805)
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Keywords | 唇裂・唇顎口蓋裂 / 日本人 / マイクロサテライト / BCL遺伝子 / 連鎖解析 |
Research Abstract |
【緒言】日本人の唇裂・唇顎口蓋裂(CL/P)多発家系を対象に、19番染色体上のBCL遺伝子および近傍の遺伝子座について連鎖解析を行い、本疾患との関連性について検討した。 【対象と方法】新潟大学歯学部附属病院口腔外科を受診した合併奇形を有さないCL/P患者のうち、家系内で本疾患の複数発症を認めた9家系60名(うち罹患者20名)を対象とした。対象身系には研究の主旨を十分に説明して同意を得た上で末梢血を採血し、ゲノムDNAを抽出した後、19q13.2領域に存在するD19S178、BCL3、007/008、AC1/AC2の4つのマイクロサテライトマーカーを用いてPCR増幅し、8%ポリアクリルアミド変性ゲル電気泳動を行って銀染色法にて各アリルを検出した。同様に、健常日本人74名についても分析し、アリル頻度、ヘテロ接合度を求めた。次いで、常染色体優性遺伝モデルとして浸透率を変化させ、LINKAGE packageのMLINKにて二点連鎖解析を行い、各家系についてLODスコアを求めた。また、患者以外は表現型がわからないものとするaffected-onlyモデルについても分析を行った。 【結果と考察】D19S178、007/008、AC1/AC2については、各浸透率においてLOD scoreは全て負の値を示し、組換え率0.010未満では-2以下となり連鎖が否定されたことから、各マーカー部位における原因遺伝子の存在が否定された。一方、BCL3では、各浸透率において組換え率が小さくなるにつれ正の値となり、組換え率0.000で最大値を示した。なお、浸透率99.9%で最大LOD score 0.203を示したが、連鎖ありと判定されるLOD score 3以上には及ばず、連鎖否定とも連鎖ありとも判定できず、原因遺伝子の存在は不確定であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 藤田 一: "日本人唇裂・唇顎口蓋裂患者における19q13.2領域のマイクロサテライト多型を用いた連鎖解析"日本口腔科学会雑誌. 51巻1号. 15-22 (2002)
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[Publications] 碓井由紀子: "顎裂部への二次的骨移植に関する臨床統計的観察"新潟歯学会雑誌. 32巻1号. 53-61 (2002)
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[Publications] 小野和宏: "唇顎口蓋裂と唇顎裂を有した一卵性双生児の顎発育に関する縦断的観察-二段階口蓋形成術手術法の影響-"日本口蓋裂学会雑誌. 27巻3号. 339-349 (2002)