2001 Fiscal Year Annual Research Report
仮骨延長法に伴う組織置換におけるアポトーシスの関与の解明
Project/Area Number |
13771227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
吉岡 泉 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (10305823)
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Keywords | 仮骨延長法 / 軟骨 / アポトーシス / 内軟骨性骨化 / 類軟骨性骨化 |
Research Abstract |
膜性骨化とされる下顎骨で,仮骨延長法によって生じた軟骨組織がどのように骨組織に置換されていくのかを,免疫組織化学的手法を用いて明らかにし,アポトーシスが軟骨組織の骨組織への置換に積極的に関与しているか検討するために実験を行った. ウサギ下顎骨をオトガイ孔と第1臼歯の間で皮質骨骨切りし,若木骨折させた後,待機期間をおかずに1日0.5mm,10日間延長した.延長終了直後,5日後,10日後に下顎骨を摘出し,H-E染色およびI型,II型コラーゲンの免疫組織染色と,TRAP, ALPの酵素組織染色を行った.またTUNEL法を用いてアポトーシスの検出を行った. その結果,延長部に認められた軟骨組織は,経日的に減少し,新生骨が形成された.軟骨細胞は経日的に肥大,空胞化し,その周囲に血管の侵入が増加した.肥大軟骨細胞周囲のII型コラーゲンは軟骨組織に比例して減少し,同部位のI型コラーゲンが増加した.また延長終了10日後では,TRAP陽性細胞が軟骨組織周囲に出現し,ALP陽性の肥大軟骨細胞が認められた.一方,長管骨仮骨延長で述べられている類軟骨様組織が下顎骨においても出現し,延長終了10日後ではその周囲にI型コラーゲンが認められた.またTUNEL陽性の肥大軟骨細胞が認められ,その陽性細胞数は経時的に増加していた. 以上の結果から,ウサギ下顎骨仮骨延長中に生じた軟骨組織は,骨へと置換され,内軟骨性骨化と類軟骨性骨化という2つの異なる骨化機序が混在した形で進行することが推察された.また軟骨組織の骨化過程にはアポトーシスが関与していることが示唆された.
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