2001 Fiscal Year Annual Research Report
HGF/SF刺激によるヒト口腔癌細胞の浸潤能促進におけるRhoのDNA解析
Project/Area Number |
13771229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
河野 峰 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (00285537)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / 細胞内情報伝達 / 浸潤能 / 低分子量GTP結合蛋白質 / 口腔偏平上皮癌 |
Research Abstract |
ヒト口腔扁平上皮癌細胞株のうち、in vitro浸潤実験によりHGF/SF(10ng/ml)刺激で最も高い浸潤能の促進を示したSAS細胞は、HGF/SFの濃度依存的な運動能の促進が認められ、SAS細胞のHGF/SFによる浸潤能の促進は運動能の亢進と関連性が高いと考えられた。これまでの研究結果から、HGF/SF刺激の細胞内シグナルは、SAS細胞のHGF受容体を介しFAKを活性化し伝達され、HGF/SFによる運動能の亢進にRhoが関与し、細胞内シグナル伝達においてFAKの上流にRhoが存在し制御している可能性が示された。そこで、SAS細胞の運動能が促進する際のRhoの関与について、以下の検討を行った。 1.HGF/SF刺激がSAS細胞のRhoのmRNAに及ぼす影響 観察した24時間では変化が認められなかった。また、SAS細胞のRhoのmRNAの発現は、HGF/SF非刺激の状態においても発現されており、常時Rhoが産生されている可能性が示唆された。 2.HGF/SF刺激がSAS細胞のRhoの細胞内局在に及ぼす影響 抗RhoA抗体を用いた免疫蛍光染色後、共焦点レーザー顕微鏡にて観察した結果、Rhoは、HGF/SF刺激前では、核周囲に局在し、HGF/SF刺激により核周囲より細胞膜へ経時的にトランスロケーションするのが認められた。この結果は、HGF/SF刺激によるRhoの蛋白質量が細胞可溶化分画において増加する現象と相関しており、細胞可溶化分画中のRhoの蛋白質量の増加は、核周囲から細胞質側への局在変化によるものと推察された。 また現在、HGF/SF刺激したSAS細胞からトータルDNAを採取し、DNAチップによるスクリーニング解析を行い、細胞浸潤能の亢進に関連する因子を検討している。
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