2001 Fiscal Year Annual Research Report
下顎頭骨髄血管網の立体構築像について(加齢と卵巣摘出のおよぼす影響)
Project/Area Number |
13771237
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
松田 大輔 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10329203)
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Keywords | 下顎頭 / 骨髄血管網 / 立体構築像 / 加齢 |
Research Abstract |
本年度,我々は下顎頭の成長過程における血管構築の変化を知る目的で,Wistar系雌性ラットを使用し,3,7,12および24週齢の各4群について光顕的(H-E染色,alcian blue染色),免疫組織学的(BrdU)に検討した. H-E染色では,3週齢において厚い肥大軟骨細胞層が存在しており,成長に伴い厚径は減少し12週齢に至り肥大軟骨細胞はほぼ消失,軟骨内骨化過程が終了し成熟した下顎頭へと発展した.肥大軟骨細胞は,骨髄腔に隣接し開口部を有し,その内部に骨髄細胞や血管の侵入を認めた.12週齢において軟骨細胞の開口部は減少し,軟骨層直下にて,隣接する骨髄腔への連絡を認めた.24週齢にいたり,開口部はほとんど認められず,骨髄細胞も軟骨層直下に限局して存在した.また,alcian blue染色では陽性細胞である成熟細胞層と肥大軟骨細胞によって構成されており,12週齢にいたり肥大軟骨細胞はほぼ消失した.24週齢では成熟軟骨細胞はalcian blue陰性を呈した.以上より,肥大軟骨細胞は軟骨内骨化過程における石灰化に必須の細胞であり,成熟軟骨細胞は骨化過程終了後,形態維持やremodelingのために組織変化が起きたものと考えられた. 3および7週齢の増殖細胞層および肥大軟骨細胞直下の骨化層には多数のBrdU陽性所見が認められ,24週齢のものではほとんど認められなかった.血管内皮細胞核にBrdUの取り込みが見られたことから,この時期に著しい血管増生が進行していることが確認された.
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