2001 Fiscal Year Annual Research Report
線維性骨異形成症の病態解明に向けた細胞分子生物学的研究
Project/Area Number |
13771258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
倉谷 豪 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90311802)
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Keywords | 繊維性骨異形成症 / 遺伝子変異 / Gタンパクα鎖 |
Research Abstract |
線維性骨異形成症は層板構造を欠く線維骨の増殖を特徴とする病変であり、この疾患の詳細は不明な点が多い。線維性骨異形成が上顎骨あるいは下顎骨に生じた場合、顔面非対称,咬合機能不全などの審美性,機能性における問題点が生じ、成長とともに顎変形が重篤になることより歯科矯正学で考慮しなければならない疾患のひとつである。線維性骨異形成症の病因としてGタンパクα鎖の遺伝子変異,病変骨組織における遺伝子変異細胞と正常細胞の混在が考えられていることから今回患者の遺伝子変異の有無を明らかにすること及び線維性骨異形成症の骨組織片より細胞培養系を確立することを目的に実験を行った。まず患者上顎骨より病変部位骨組織を採取し得られた骨組織を液体窒素にて急冷,細切したのち通法に従って全RNAを回収した。RT-PCR法にてcDNAを作成し変異部位を挟むように設計されたGsαPCRプライマーを用いてPCR反応を行い得られたPCR産物を精製後、シークエンスを行った。シークエンスの結果、Gsα201番目のアミノ酸であるアルギニンがシステインに変異していることが明かとなった。一方正常ヒト骨組織から単離した全RNAを用いたGsαのシークエンスにおいては遺伝子変異は検出されなかった。細胞培養系の確立のために病変部骨組織を細切し培養液に浸漬後、outgrowthした細胞を回収し液体窒素にて凍結保存した。この細胞の一部を用いて遺伝子変異解析を行った結果、上記と同様にGsαの遺伝子変異を検出することができた。
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