2001 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスに対する歯根膜細胞の応答性について-DNAマイクロアレイによる解析-
Project/Area Number |
13771263
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
横関 雅彦 徳島大学, 歯学部, 助教授 (10314866)
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Keywords | DNAマイクロアレイ / メカニカルストレス / 歯根膜 / ストレスファイバー / 細胞内カルシウム濃度 |
Research Abstract |
矯正学的歯の移動時には広範なリモデリングが生じ、牽引側には骨添加、圧迫側には骨吸収が観察される。その過程は、メカニカルストレスに応答する歯根膜細胞を中心とした一連の遺伝子発現により厳密に調節されていると考えられている。本研究では、メカニカルストレスにより歯根膜細胞で応答する遺伝子のスクリーニングをDNAマイクロアレイを用いて行うことを目的としている。ヒト抜去歯の歯根膜からアウトグロースした細胞を実験に用いた。得られた細胞を位相差顕微鏡で観察したところ線維芽細胞に特徴的な紡錘状の形態を示していた。また、歯根膜や骨膜に特異的に発現することが知られているペリオスチンの発現をRT-PCRにて検討したところその発現が認められた。従って、得られた細胞を歯根膜線維が細胞とし、Type Iコラーゲンでコーティングしたシリコンチャンバー上で培養を行い、一軸性培養細胞伸展システムにて圧迫力を付与した。ローダミン-ファロイジン染色により歯根膜線維芽細胞のストレスファイバーは、圧迫力により消失し、細胞内カルシウム濃度の上昇が認められた。これらの細胞からPolyARNAを抽出後、32P標識cDNAを調整し、268個のサイトカインおよびサイトカイン受容体がスポットされているメンブレン型のDNAマイクロアレイとハイブリダイズしたところ、メカニカルストレスにより約3倍以上の発現上昇がみられた遺伝子約20を同定した。現在RT-PCRにより、その発現上昇について検討中である。
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