2002 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠―覚醒リズムおよびエネルギー代謝調節機構における口腔内感覚入力の役割
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13771264
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤瀬 多佳子 九州大学, 歯学部附属病院, 助手 (50284518)
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Keywords | 咀嚼 / エネルギー代謝調節 / 食事性熱産生 / 低硬度飼料 / 概日リズム / 口腔内感覚入力 / 視交叉上核 |
Research Abstract |
地球上の生物には、睡眠-覚醒、走行運動、摂食行動などに見られる概日リズムが存在する。また、摂食行動の実行系として機能する咀嚼と全身の健康の関連性について関心が高まっている。我々は、視床下部神経ヒスタミンにおける食行動調節において、咀嚼時の口腔感覚入力が満腹感形成に重要な役割を果たしていることを明らかにした。神経ヒスタミンは概日リズム調節に関与していることもわかっており、本研究は、エネルギー代謝調節、および、生体の概日リズム調節における咀嚼の関与について明らかにすることを目的とした。咀嚼時の口腔感覚入力を変化させるために、通常のラット固形飼料およびその低硬度飼料を開発し、それぞれの飼料に対する食事性熱産生について検討を行った。ラット腹腔内に体温および活動量測定用小型送信機を慢性留置し、1回の自由摂食行動に伴う体温変動および活動量を比較したところ、通常の固形飼料では食事に伴い消化吸収前に認められる体温上昇率が2.5%であったのに対し、低硬度飼料群では1.5%と低い値を示した。この通常の固形飼料摂取群にみられる体温上昇率は、α-フルオロメチルヒスチジンの脳室内投与し神経ヒスタミンを枯渇させた場合、1.5%へと減少し、また、交感神経の神経伝達物質であるノルエビネフリンのβ受容体遮断薬であるプロプラノロールの腹腔内前投与によっても約3分の2に減少することから、食物の性状の違いによる食事性熱産生の変化には、ヒスタミン神経系および交感神経系が関与している可能性が示唆された。また、通常固形飼料または低硬度飼料を与えた場合、照明条件を明暗周期12時間→恒常暗→明暗周期12時間と変化させた条件下の24時間体温変動曲線を、マルチプルアナライシス法を用いて近似曲線を求め比較したところ、低硬度飼料摂取群において体温が低下していることがわかった。すなわち、異なる性状の食物摂取が生体リズムのパターンにも影響を及ぼしていることが示唆された。
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Research Products
(1 results)