2001 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病関連細菌の鉄獲得機構とその病原性における意義
Project/Area Number |
13771270
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林田 秀明 長崎大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20238140)
|
Keywords | 歯周病関連細菌 / 鉄獲得機構 / 病原性 |
Research Abstract |
歯周病関連細菌Actinobacillus actinomycetemcomitans(以下Aaと略す)の鉄獲得機構を解明する目的で,鉄結合タンパク質遺伝子のAa染色体DNAデータベース上での検索,鉄制限培地上での宿主鉄原添加ディスク周囲の発育試験,鉄結合タンパク質遺伝子の塩基配列決定,ヘモグロビン結合タンパク質遺伝子変異株作成を行った. 鉄結合タンパク質遺伝子のAa染色体DNAデータベース上での検索の結果,ヘモグロビン結合タンパク質遺伝子とトランスフェリン結合タンパク質遺伝子と相同性の高い領域があることが明らかになった. 鉄制限培地上での宿主鉄原添加ディスク周囲の発育試験の結果,ヘモグロビン添加ディスク周囲に発育がみられるものが認められた.塩基配列決定の結果,これらの菌株のヘモグロビン結合タンパク質遺伝子のホモローグは,機能しているが,発育できない株では,翻訳レベルを障害する変異が認められた.トランスフェリン,ラクトフェリン添加ディスク周囲では,すべての株が発育できなかった.トランスフェリン結合タンパク質は2つのサブユニットから構成されるが,すべての株で1つのサブユニットの遺伝子が欠損していた. カナマイシン耐性遺伝子を含むトランスプライマーを用いて,Aaヘモグロビン結合タンパク質遺伝子ホモローダの変異株作成を試みた.トランスプライマーの挿入されたヘモグロビン結合タンパク質遺伝子ホモローグを含む一本鎖プラスミドをエレクトロポレーションでAa菌体に導入し,相同的組み換えによって,いくつかの変異株を得た.変異株の性状について,分析中である.
|