2002 Fiscal Year Annual Research Report
In Vitroにおけるヒト歯根膜組織由来細胞のcharacterization
Project/Area Number |
13771287
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
松澤 光洋 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (60288082)
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Keywords | 歯根膜細胞 / 骨基質タンパク質 / 細胞分化 |
Research Abstract |
本研究は、歯根膜組織片のexplant法より得られる歯根膜細胞の細胞生物学的性質を明らかにするため、培養細胞と新鮮組織から抽出した骨基質タンパク質mRNA(typeIcollagen : COL1、typeXIIcollagen : COL12、bone sialoprotein : BSP、osteopontin : OPN、osteocalcin : OC、osteonectin : ON、alkaline phosphatase : ALPase、parathyroid hormone receptor : PTHr)の発現状態を検索した。 初代焙養細胞は、歯根中央1/3部分より剥離した約1mm^3の歯根膜組織片を培養プレート上にカバースリップで固定し約3週間培養したものを用いた。継代培養細胞(継代数6)は5×10^3/cm^2の細胞密度で播種し、集密期まで培養を行った。初代培養細胞、継代培養細胞および歯根膜新鮮組織よりIsogenを用いて総RNAを抽出し、reverse transcriptaseを用いたpolymerase chain reaction (RT-PCR)により各mRNAの発現を検索した。 歯根膜新鮮組織では、26cycleで8種類すべての骨基質タンパク質mRNAの発現を認めた。初代培養細胞およ継代培養細胞ではBSP、OPN、OCN、ALP、PTHrでmRNAの発現はみられず、COL1、COL12、ONのみでmRNAの発現が認められた。COL1とCOL12では新鮮組織と比較してmRNAの発現量の上昇がみられた。 以上の結果より、歯根膜細胞は歯根膜組織中では骨系細胞としての性格を有するが、培養細胞では骨系細胞への分化は抑制される傾向を示すことが分かった。
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