2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771295
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
名和 弘幸 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20308787)
|
Keywords | CT / 内側翼突筋 / 3次元計測 / 筋肉の走行方向 / 筋肉の断面積 |
Research Abstract |
軟組織は不正咬合の原因の一つとして,咬合状態や顎顔面頭蓋に何らかの影響を与えていると考えられる.そこで軟組織と硬組織の両方の情報を得ることが出来るCT画像データを用い,昨年度と同様の手法にて外科的矯正が必要と判断された左右非対称のない骨格性下顎前突症患者群(下顎前突群)と昨年度求めた健常者群の内側翼突筋の走行方向と断面積の基準値とを比較検討し,その違いについて検討を行った. 下顎前突群の内側翼突筋のフランクフルト平面に対する走行方向(角度)の平均値は,矢状断面で右側1.43±5.84°,左側1.15±6.09°で,前頭断面では右側-8.58±8.13°,左側-9.01±8.18°であった.また,筋肉の断面積の平均値は,右側179.08±12.60mm^2,左側179.55±14.75mm^2であった. 健常者群と下顎前突群の比較では,矢状断面,前頭断面ともに左右とも下顎前突群の方が有意に小さい値を示していた.このことより,左右非対称のない骨格性下顎前突症患者における内側翼突筋は健常者に比較して,矢状断面ではより前方に傾斜し前頭断面ではより垂直に走行する傾向があることが示唆された.また,断面積については健常者群と比較すると下顎前突群の方が有意に小さい値を示していた. 下顎前突群の内側翼突筋の走行方向がより垂直に近いことは,下顎前突症患者における筋肉の停止部位が健常者に比べより前方に位置しているためと考えられた.さらに,下顎骨の成長がより前方に伸張されるような細長い形態を呈し,それに付随する筋肉も細長く断面積が小さくなり,その結果,活動度の低下や咬合力の低下などを引き起こす可能性が示唆された.
|
Research Products
(1 results)