2001 Fiscal Year Annual Research Report
乳歯由来線維芽細胞におけるニューロトロフィンの機能的役割
Project/Area Number |
13771298
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
白數 慎也 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20330144)
|
Keywords | 線維芽細胞 / ニューロトロフィン / IGF |
Research Abstract |
ニューロトロフィンは神経栄養因子の一つのファミリーであり、神経細胞に特異的に作用する液性因子として発見された。さらに、神経栄養因子の別のファミリーである線維芽細胞成長因子が線維芽細胞の増殖に必須であるなど、ニューロトロフィンを含めた多くの神経栄養因子が非神経栄養因子である脂肪組織や免疫担当細胞からも産生されていることがわかりつつあり、神経細胞以外への影響についても明らかにされつつある。したがって、本研究では線維芽細胞に焦点を当て、炎症性サイトカインと活性酸素種の産生について、ニューロトロフィンとの関連性を追及する。初年度はニューロトロフィンとして、神経成長因子、脳由来神経栄養因子およびニューロトロフィン-3を乳歯歯髄由来線維芽細胞の代わりにヒト胎児肺由来線維芽細胞に処置した後、まず増殖率に対する影響について検討を行った。その結果、神経成長因子、脳由来神経栄養因子およびニューロトロフィン-3いずれも著明な変化は示さなかった。次に、グルタチオン枯渇剤であるBSOおよび抗がん剤であるVincristineを線維芽細胞に処置し、増殖率に対する影響について検討を行った。その結果、いずれの薬物に対しても増殖率の有意な低下が認められた。さらに線維芽細胞をBSOおよびVincristineで処置後、神経成長因子、脳由来神経栄養因子およびニューロトロフィン-3を添加し、細胞増殖率への影響を検索した。その結果、いずれのニューロトロフィンも細胞増殖率に変化を及ぼさなかった。次に、Insulin like growth factor(IGF)の線維芽細胞の増殖率に及ぼす影響を調べた。その結果、細胞の増殖率は有意に増加した。
|