2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト歯根膜組織におけるメカニカルストレスと非石灰化機構の関係解明
Project/Area Number |
13771308
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
富田 浩一 鹿児島大学, 歯学部附属病院, 助手 (20315427)
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Keywords | 歯根膜細胞 / メカニカルストレス / 非石灰化 |
Research Abstract |
1.ヒト歯根膜細胞へのストレツチ力の負荷 矯正学的理由で抜歯した小臼歯より無菌的に歯根膜を摘出し、その組織片を10%ウシ胎児血清を含むα-MEM(α-modified minium essential medium)培地にてタイプIコラーゲンコート培養デイシュであるFLEX-I(Flexercell社製)上で培養し、ストレッチ力負荷24時間前に1%ウシ胎児血清を含むα-MEMに交換し、Flexercell Strain Unit(Flexercell社製)を用いて、ヒト歯根膜細胞にストレッチ力を培養デイシュの膜が10%伸張する強さで48時間負荷した。 2.ストレッチ負荷ヒト歯根膜細胞におけるmRNAの発現 ストレッチ負荷したヒト歯根膜細胞におけるmRNAの発現を検討するため、負荷実験終了後、各々の培養細胞の全RNAをAGPC(Acid Guanidium-Phenol-Chloroform)法で抽出し、石灰化に関与するといわれているオステオカルシン(OC)、オステオネクチン(ON)、オステオポンチン(OP)、アルカリフォスファターゼ(ALP)と、非石灰化に関与しているといわれているマトリックスグラプロテイン(MGP)の各々に特異的なプライマーを使用してRT-PCR法を行った。RT-PCR終了後、2%アガロース電気泳動を行い、負荷をしなかった静置培養細胞との間における各々のmRNAの発現を比較した。 その結果、どちらのヒト歯根膜細胞においても、ALP、ON、MGPのmRNAの発現がみられ、ALPmRNAの発現においてのみ、ストレッチ負荷したヒト歯根膜細胞においての発現が減弱していた。他のmRNAの発現の有意な差異はみられなかった。
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