2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
武田 宏幸 明海大学, 歯学部, 助手 (40316691)
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Keywords | 歯周組織 / 破骨細胞 / 骨吸収抑制薬 / 破骨細胞前駆細胞 / ケモカイン / 走化性 / OPGL / ODF / OCIF |
Research Abstract |
歯周疾患により吸収された骨の回復は、再生療法を駆使しても臨床的に満足する結果は必ずしも得られない.現在、歯周組織の再生に局所応用されているbone morphogenetic proteinやenamel matrix proteinは、主に骨芽細胞の分化を目的としており、破骨細胞の骨吸収抑制作用は期待し難い.そのため、再生療法における骨吸収活性因子の積極的な除去が必要であると考える.しかし、リウマチのような炎症性骨吸収疾患においてOCIFは、骨吸収抑制薬でなく鎮痛剤として用いられている現状から、歯周組織再生に応用することは困難であると思われる.したがって、炎症性骨吸収に対する抑制剤は、破骨細胞分化以外の機構を阻害する必要があることが示唆される. 一方、免疫担当細胞は、ケモカインにより炎症部位に遊走し分化することが知られている.とくに単球/クロファージ系細胞のケモカインへの応答にCCR1〜10およびCXCR1〜4のケモカイン受容体が関与することから、単球/クロファージ由来である破骨細胞も、血液幹細胞から成熟は骨細胞への分化過程において、類似の機構により炎症局所へ集積することが推測される.そこで、生理的骨代謝機能を崩さずに炎症局所特異的に骨吸収を抑制するために、骨組織への破骨細胞の走化性を抑制すべきであると考え、本研究を企画した.破骨細胞は、必須分化因子であるosteoprotegrin-ligand/osteoclast differential factor (OPGL/ODF)により分化し、骨吸収活性を示す現在、本研究の使用に耐える破骨細胞前駆細胞の調整法、および同細胞を用いた走化性を検討するための実験系の開発中である。
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