2001 Fiscal Year Annual Research Report
低分子CXCR4アンタゴニストT140を基盤構造とした抗エイズ治療薬の開発研究
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13771330
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉村 啓和 京都大学, 薬学研究科, 講師 (80217182)
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Keywords | ケモカイン受容体 / CXR4拮抗剤 / HIVコレセプター / T140 / docking analysis / 生体内安定化 / コンホメーション固定化 / (E)-アルケンジペプチドイソスター |
Research Abstract |
本年度は、4年前に発見したケモカイン受容体CXCR4(HIVコレセプター)拮抗剤、T140、を探索子として、新規なエイズ治療薬の創製研究を展開した。 1)T140の構造解析-CXCR4とのdocking analysis : NMRとmolecular dynamic calculations (QUANTA/CHARMm)により決定したT140の水溶液中での立体構造を参考にして、ロドプシンの構造をもとに推定したCXCR4の立体構造とのdocking analysisを行った。その結果、T140はCXCR4の細胞外第二ループおよび細胞外第三ループに対して、T140のN端およびC端側(T140のpharmacophore側)から相互作用をすることが推定された。この結果は、機能性CXCR4を発現した酵母及びCHO細胞を用いたT140とCXCR4の相互作用部位のマッピングの実験と一致するものであり、現在この構造を基にT140の低分子化を行っている。 2)T140誘導体のラット肝ホモジネートに対する安定性試験:以前血清に対する安定性試験を行い、T140誘導体のC末端をアミド化する必要があることがわかった。また、今年度ラット肝ホモジネートに対する安定性評価試験を行ったところ、N末端部3アミノ酸が除去されることがわかった。この分解は、N末端をアシル化するにより抑制できることも明らかになり、この結果を参考にして新たに高いSI値を示す誘導体を創製した。 3)T140のターン部分の固定化:T140のβターン部位に(E)-アルケンジペプチドイソスターを導入した誘導体T(E)-140-OHを合成し、部分的な構造の固定化と非ペプチド化に成功した。今後、これをコンフォメーションの固定化と非ペプチド化のデザインのための参考にする。
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[Publications] H.Tamamura, et al.: "Development of Specific CXCR4 Inhibitors Possessing High Selectivity Indexes as Well as Complete Stability in Serum Based on an Anti-HIV Peptide T14O"Bioorg. Med. Chem. Lett.. 11・14. 1897-1902 (2001)
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[Publications] N.Fujii, H.Tamamura: "Peptide-lead CXCR4 Antagonists with High Anti-HIV Activity"Current Opinion in Investigational Drugs. 2・9. 1198-1202 (2001)
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[Publications] H.Tamamura, et al.: "Certification of the Critical Importance of L-3-(2-Naphthyl)alanine at Position 3 of a Specific CXCR4 Inhibitor, T140, Leads to an Exploratory Performance of Its Downsizing Study"Bioorg. Med. Chem.. 10・5. 1417-1426 (2002)
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[Publications] H.Tamamura, et al.: "Synthesis and Evaluation of Pseudopeptide Analogs of a Specific CXCR4 Inhibitor, T140 : The Insertion of an (E)-Alkene Dipeptide Isostere into the βII'-Turn Moiety"Bioorg. Med. Chem. Lett.. (in press).