2002 Fiscal Year Annual Research Report
生理活性プロスタノイド関連化合物クラブサイクリンIIの全合成
Project/Area Number |
13771340
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岩島 誠 富山医科薬科大学, 薬学部, 助教授 (20266901)
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Keywords | クラブバイサイクロン / クラブロン / クラブラリア属軟体サンゴ / 海産プロスタノイド / クラブサイクリン / 構造決定 / 全合成 / Clavularia viridis |
Research Abstract |
クラブサイクリンII (clavubicyclone,クラブバイサイクロンに改名)は,沖縄県石垣島近海に棲息する軟体サンゴClavularia viridisから著者らによって単離・構造決定された新規骨格を有するプロスタノイド関連化合物である。培養ガン細胞に対する細胞増殖抑制効果が認められたことにより,更なる生理活性の検定および絶対立体配置を決定する目的で全合成研究に着手した。 交付申請書に記載した研究実施計画に基づき,本年度は望む立体配置を有する光学活性ビシクロ[3,2,1]オクタン誘導体の効率的合成と,表題化合物の全合成について検討を行なった。昨年度に達成できた合成法を一部改良し,合成前駆体ビシクロ[3,1,0]ヘキサン誘導体のエステル部分にキラルアルコール(またはキラルアミン)を結合させたジアステレオマー混合物について,HPLCによる分離を検討した結果,キラルアルコールとしてd-メントールで分離できることが明らかになった。3,3-シグマトロピー転移によるビシクロ[3,2,1]オクタン誘導体の合成は,立体選択的に進行したが依然として低収率であり,この鍵反応について現在も引き続き検討を行なっている。ω-側鎖の導入は,9位のカルボニル基を還元・保護後,エステル部分を1級アルコールに還元し脱離基変換させた後、7炭素を結合させて達成できた。α-側鎖については懸案であった4位酸素官能基の立体配置の制御ができ、本分子の骨格を形成することに成功した。現在,8位の3級水酸基脱保護とアセチル化によるクラブサイクリンIIの全合成を検討している。また、一部の合成中間体およびモデル化合物の生物活性について検討を行なっている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Iwashima, I.Terada, K.Okamoto, K.Iguchi.: "Tricycloclavulone and Clavubicyclone, Novel Prostanoid-Related Marine Oxylipins, Isolated from the Okinawan Soft Coral, Clavularia viridis"The Journal of Organic Chemistry. 67. 2977-2981 (2002)