2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外ATPのマイクロドメインにおける代謝と受容体活性化機構に関する研究
Project/Area Number |
13771369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大久保 聡子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20274954)
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Keywords | NG108-15 / ecto-nucleotidase / methyo-β-cyclodextrin / ATP / adenosine |
Research Abstract |
NG108-15細胞におけるecto-nucleotidaseの発現についてRT-PCRにより確認したところ、この細胞は主にecto-phosphodiesterase/pyrophosphatase-1(PDNP1)及びecto-alkaline phosphataseが発現していることが明らかになった。実際、それぞれの酵素の基質を用いて酵素活性についても確認した。また、近年コレステロールを豊富に含むラフト構造が細胞情報伝達に重要であることが知られている。本細胞において観察される、ATPがecto-nucleotidaseに代謝されてアデノシンになり、アデノシン受容体を刺激する情報伝達機構に対しても、ラフトが関与している可能性が考えられた。そこでます、ラフトを破壊することが知られているmethyl-β-cyclodextrin(MβCD)の効果についての基礎的な検討を試みた。NG108-15細胞にはGqに関連しphospholipase C活性化を介した細胞内カルシウム濃度上昇を起こすP2Y2受容体が発現していることから、この情報伝達系に対するMβCDの効果を検討したところ、ラフト破壊によりP2Y2受容体を介する情報伝達が抑制された。今後はMβCDを用い、PDNP1、ecto-alkaline phosphataseによる代謝を介するATPのアデノシン受容体刺激機構に対するラフト構造の役割について検討する予定である。
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