2001 Fiscal Year Annual Research Report
FGF-16ノックアウトマウス作製とその褐色脂肪組織形成における役割の解明
Project/Area Number |
13771380
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小西 守周 京都大学, 薬学研究科, 助手 (00322165)
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Keywords | 線維芽細胞増殖因子 / 脂肪組織 / 形態形成 / 分子生物学 |
Research Abstract |
研究者は脂肪組織形成におけるFGFの意義を明らかにすることを目的に実験を行った。 生体においては、主に余剰エネルギーの蓄積に関する白色脂肪組織と、余剰エネルギーの放散に関与する褐色脂肪組織の二種類が存在することが知られている。 研究者は、FGFファミリーに属するFGF-16が、胎児期の褐色脂肪組織に発現し、前駆褐色脂肪細胞の増殖を促進することを見い出した。このFGF46の発現パターンおよび活性は、他のFGFや分泌因子に見られない独自のものである。よって、FGF-16は、褐色脂肪組織形成において独自の機能を持つと予想し、FGF-16機能欠失型動物を作製することを計画した。現在、この機能欠失動物の作製に関しては進行中である。 また、研究者はFGP-16と同様に、FGF-10が脂肪組織に発現することを見い出した。 FGF-10は、FGF-16と異なり、白色脂肪組織に発現しており、前駆白色脂肪細胞の増殖を促進する。研究者はFGF-10ノックアウトマウスにおいて白色脂肪組織が著しく萎縮していることを見い出した。さらにin vitro実験系、あるいはin vivo実験系において、FGF-10が脂肪細胞分化過程のごく初期に発現しており、脂肪細胞分化を正に調節していることを見い出した。また、in vivoにおいても、FGF-10が前駆脂肪細胞に対して増殖活性を持つことを明らかにした。現在、さらに詳細にFGP-10の脂肪組織形成に対する影響を検討する予定である。 以上、脂肪組織形成の分子メカニズムの一端を明らかにした研究者の研究実績により、生体のエネルギー代謝調節に対し新たな知見が得られるものと期待される。
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