2001 Fiscal Year Annual Research Report
MRSAの感染・保菌状態を鑑別するための毒素産生性の特徴を利用した評価法の研究
Project/Area Number |
13771452
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
堀井 俊伸 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (80283430)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / MRSA / プロテインA / DNase / 分泌タンパク質 / 酵素免疫測定系 / 二抗体サンドイッチ法 / 鑑別診断法 |
Research Abstract |
検体材料より分離されたMRSAが感染症の起因菌であるか常在菌(保菌)であるかを迅速に鑑別する方法(鑑別診断法)を開発することを目的として,黄色ブドウ球菌が産生する酵素の産生量が対数増殖期と静止期で異なるという性質を応用した研究を実施している.本研究では,プロテインAとDNaseを研究の対象とした. 1.プロテインAおよびDNaseを定量するための酵素免疫測定系の構築 黄色ブドウ球菌が産生するプロテインAおよびDNaseを定量するために,二抗体サンドイッチ法による酵素免疫測定系を構築した.より高感度な測定が可能となるよう種々の条件を検討し改良を重ねた結果,プロテインAにおいては0.5〜50ng/ml,DNaseにおいては0.1〜1,000ng/mlの範囲で測定が可能な酵素免疫測定系を構築した. 2.培養上清中に分泌された酵素の定量 臨床分離株5株とStaphylococcus aureus NCTC8325株をハートインフュージョン培地を用いて液体培養し,我々が先に構築した酵素免疫測定系を用いて,培養上清中のプロテインAおよびDNaseの濃度を測定した.その結果,プロテインAは対数増殖期で分泌量が亢進するのに対して,DNaseは静止期で分泌量が亢進することが示された.黄色ブドウ球菌が産生する酵素や外毒素などの種々の分泌タンパク質は,agr系(a global regulatory system)により発現が制御されているために,分泌タンパク質の種類によって対数増殖期と静止期で発現量が異なることが知られている.我々の構築した酵素免疫測定系を利用して経時的に定量を行った結果は,このことに合致するものであった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Toshinobu Horii et al.: "Antiseptic treatment of methicillin-resistant Staphylococcus aureus conjunctivitis"Journal of Infection. 42. 166-169 (2001)
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[Publications] Toshinobu Horii et al.: "Intravenous catheter-related septic shock caused by Staphylococcus sciuri and Escherichia vulneris"Scandinavian Journal of Infectious Diseases. 33. 929-931 (2001)
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[Publications] 堀井俊伸, 太田美智男: "臨床3大特集・薬剤耐性菌の蔓延/速やかに適切な対策を講じるために・ESBLとメタロβ-ラクタマーゼ"Mebio. 18(6). 49-55 (2001)
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[Publications] 堀井俊伸: "実践・MRSA対策/応用編・MRSA対策の実践・事例/MRSA対策のための組織"インフェクションコントロール. 別冊. 188-193 (2001)