2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13771481
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
水戸 優子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (70260776)
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Keywords | 車椅子 / 動作分析 / 重心動揺 / 筋電図 / ボディメカニクス / バイオメカニクス / 移乗 / 足位置 |
Research Abstract |
1.臨床場面における片麻痺患者の身体状況および車椅子活用状況の観察 片麻痺患者にとって効果的な車埼子移乗全介助方法を検討するために、1つの脳神経外科病院の病棟にて参加観察を行った。その結果、全介助を要する片麻痺患者にも3タイプあることが観察された。それは麻痺の状態に関連するというよりも、患者の筋活動の制御力、可動性にかかわるものであった。すなわち、筋緊張が正常であるもの、筋・関節が拘縮して可動性に制限がある者、筋緊張亢進のために筋活動制御ができない場合である。この3タイプの片麻痺患者の身体状況に応じて全介助の方法を検討する必要が考えられた。 2.模擬片麻痺患者と看護者による車椅子移乗全介助方法の検討 臨床場面で観察された片麻痺患者の筋活動状況を踏まえた対象者条件のうち、筋緊張が正常である者を想定して、健常女性を模擬片麻痺患者として23名の看護者より協力を得て3タイプの車椅子移乗介助方法を実施し、それらを画像による動作分析、表面筋電図による筋負担量比較、主観調査を行ってその効果を評価した。その結果、先行研究において外支持足法が最も両者にとって安定した方法であった結果と同様に、外支持足の方法がボディメカニクスの原則に適い、筋負担が少なく、両者の主観的にも安定して楽であり、かつ患者が最も立ち上がった姿勢のとれる方法であることが分かった。 3.臨床場面での3タイプの足位置による実証 2において明らかにした車椅子移乗介助方法とくに各足位置法の効果を臨床場面で検討するために2ヶ所の病院において入院している脳卒中片麻痺患者11名と看護者15名の協力を得て、3タイプの足位置による介助方法を実施し測定したところ、正常筋緊張状態の片麻痺患者には外支持足が最も有効であったが、その他の身体の状況タイプの片麻痺患者には有効とは言えなかった。つまり、片麻痺患者においても身体条件により介助者の足位置を変える介助方法をとった方が有効であると考えられた。
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